不倫兄妹

@PEACHMOON

第1話 あたしとアナルセックスとおにい

トントントン・・・ノックの音。

ツーツーツー・・・爪でドアを擦るような音・・・トントントン。


トントントン、ツーツーツー、トントントン。


「なんだよ、なんか用事か」


「おにい、勉強教えて♪」


「救難信号出すほど困ってるのか」


「あい、要救助者がいます〜♪」


「・・・一応、仕事中なんだぞ」


「うふ、どうせ寝当直でしょ。カワイイ妹を助けてあげてください♡」


    ◇


「・・・ということで、長針は1時間に360度動くんだから1分間に6度だろ。で短針は1時間で12に区切られたひとつ分、つまり30度動くんだから1分間だと0.5度なわけよ」


「フムフム」


「つまり長針と短針の間は毎分5.5度ずつ開いていくんだから・・・ということで答えが出るだろう?」


「やるね、おにいは天才だな」


「つーかな、これって中学受験とかの基本問題だろ。つまり小学生の問題だぞ。お前の高校、どうなってるんだ!?」


「がびーん」


「昭和のリアクションだなあ、今どきがびーん言う女子高生もなかなかいないぞ」


「まあそれはともかくとして、おにい、アナルセックスってしたことある?」


「一気に話がぶっ飛んだ感じがするけど、どうしたんだ?」


「んーん、まあ、その、アレかな、カレがさ、してみたいって言うからさ♪」


「カレって、例の・・・学校の教師か?、教え子に手ぇ出してる悪徳教師」


「まあ〜悪徳っちゃあそうかもだけど、あたしのことが一番って言ってくれるし♡」


「いや、それふつう言うやつだから。だいたいそいつって既婚者だろ確か」


「奥さん妊娠中でいっつも機嫌悪いんだって〜大変だよね」


「だからって教え子とヤっていいってもんじゃないと思うけどな〜」


「おにい、もういいから。それよりアナルセックスの実際と問題点についてレクチャーしてよ」


「実際と問題点ね、講演のタイトルみたいだな」


    ◇


「でね、実際のところクサくないの?」


「クサイよ、ふつうに。風俗とかならガチ洗浄とかしてるかもだけど、一般人とアナルセックスしたら臭いはするだろ」


「うええ〜やっぱりぃ?」


「だって前もって◯月△日はアナルセックスするから、1週間前から野菜中心の食事にして、当日にはグリセリン浣腸とぬるま湯500ミリくらいの直腸洗浄しておけよ、なんて言われたらムードもクソもねえだろ」


「アナルセックスだけにね」


「フッ」


「おにいが笑った♪」


「ということで実際は、イチャコラしてるうちにムラムラとアナル欲がこみ上げてきて・・・あのよ、今日・・・コッチでしてもいいか?、ってなるわけよ」


「ええっ、恥ずかしいよっ。キレイなとこじゃないしニオイとか・・・」


「(お、ノってきたな)大丈夫だって、お前のだったら全然気にならないからさ〜」


「ホント?、じゃあ特別だよ、誰にもさせたことないんだからね♡」


「嬉しいよ、お前の初めてをもらえて〜」


「あ〜あ、そういえばそんなことも言ってたあ。お前の初めてがほしいからアナルでやらせてくれって」


「常套句だな」


「え〜そうなの〜!?、ちょっと嬉しかったのにな〜」


    ◇


「ということで、だいたいは唐突にその時が来るので準備は不可能だな」


「そっかあ〜そうだよね。その時点から浣腸してトイレにこもってたりしたらちょっとアレだよね〜」


「だいたいな、きっちり洗浄しても腸液はじわじわ出るんだから、結局はヤってるうちに臭ってくるんだよ」


「え〜、あのね、男性的にはね、そんなウンコのニオイを嗅ぎながらでも・・・アナルというところに挿れてみたいものなのでしょうか?」


「うーん」


「あ、それともアレ?、好きなオンナのなら気にならないとか・・・むしろ好ましいとか?」


「なかなかむつかしいとこだよな、それは」


「そうなの?」


「臭いのタイプによってはそんなに気にならないこともあるなあ」


「ええ〜、ウンコがクサくない娘もいるの〜?」


「まあ、ふつうにくっさーって思うこともあるし、ちょっとクサいその臭いでむしろ興奮することもあるな〜」


「なんか香水の匂いの成分とウンコのニオイの成分に共通点があるって聞いたことがあるような〜」


「そうそう、催淫的な作用がどうとかな」


「まあつまり、個人差ってことでしょうかね。いいウンコ臭もある、だけど悪いウンコ臭もある!!」


「遺伝子のなせるワザという話もあるな」


「ふ〜ん・・・ねえおにい、じゃああたしのニオイはどうかなあ?」


「へ!?」


「屁じゃなくて、まあ屁でもいいんだけどお尻のニ・オ・イっ」


    ◇


「いや、別にオレがお前のケツの匂いが好きでもキライでも、それがその不倫教師にも当てはまるとは限らんだろ」


「ん〜、でもさ、まあ一般的にどうなのかなって。百戦錬磨のおにいにちょっとジャッジしてもらおうかなと・・・」


「だいたいどうやって判定するんだよ。なにか?、お前がこれからウンコして、そのトイレにオレがチェックしに行ったらいいのか?」


「ええ〜ウンコ出ないよ、さっき夕ごはんの後でしちゃったもん。直でいいよ、直」


「直接!?、ここでかよ、なんでオレが宿直中にお前の肛門の匂いを嗅がなきゃいけないんだ・・・」


「ちょっとナニその言い方、女子高生の肛門のニオイだよ。ふつうお店に行ったり大金払わないとできないやつだよ。もっと嬉しそうにしてよ♪」


「・・・」


「あ、でも見ちゃダメよ。恥ずかしいから目かくしするからね」


「今どきの女子高生の恥ずかしいの基準がわからんな、ケツの匂い嗅がれるのはいいのか・・・」


「よし、これで目かくししよう」


「バカ、それガムテープだ。まゆ毛とかまつ毛とか全部抜けちまうだろ!」


「そっか、わかった。じゃあさ、あたしのさ、脱いだパンツをおにいにかぶせたらいいんじゃない?」


「いやそれ変態仮面みたいになるだけで、ふつうに見えるだろ」


「なあに、変態仮面って」


「ん?、ああ、パンツ一枚だけはいて、頭にパンツかぶってフォーってやる昔のヒーローだ」


「・・・ヒーローっていうか、ただの変態だよねソレ」


「今お前はオレにそういうことをさせようとしたんだがな」


「テヘ、ごめんなさい♡・・・でもどうしようかなあ、うーん。ポクポクポクポク・・・チーン、よし、ひらめいた!」


「・・・」


「おにいがあたしのお尻に指を挿れて、それを嗅いだらいいんだよ。あたし頭いいね」


「・・・よし、もう帰れ」


「ええっ、ひどーい。いいよママに言いつけてやる、おにいが悩み相談にのってくれないって」


「わかったわかった、わかったから。あの女(ヒト)に言うのはやめてくれ、マヂややこしいから」


「よし、わかればよろしい♪」


「・・・ふう、お、なんかお前のスマホ鳴ってんぞ」


「あれ、やだあ、ママからメッセージだ。早く帰ってこいって怒ってる〜しょぼん」


「ヤバいヤバい、あの女(ヒト)怒るとややこしいから、な、こっちまで飛び火したらたまらん」


「プーン、いいもん、また来週のおにいの宿直んときくるもん。こんどはすぐにお尻のニオイ嗅いでくださいね♪」


「ええっ、会うなりケツのニオイ嗅がされるのかよ、オレ」


「なんだよ、文句あるのかおにい。泣くぞ、号泣しながら帰るぞ」


「うへえ、わかったわかった、今度はお前のケツのニオイ嗅ごうな、な、だから泣くなって」


「テヘ、うん、じゃあまたねおにい。おやすみ〜チュッ♡」


「投げキッス・・・いったい、なんなんだあいつ」


つづく

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