老人奴隷 ザール
第1話 最初で最後の......
「爺や......どこにいるの?」
「始まりの『負』は果ての奥底にある......」
「爺や......あなたはどこに行ってしまったのですか?」
「灰の居心の最奥......果てに、それはある。」
「爺や。どこにいるのですか?」
「それを持ち帰らねばならない。」
「爺や。私の傍に帰ってきて。」
「灰の世界の最深......果ての底に、それはある。」
「爺や。どうか、私のところに帰ってきて......」
「私は持ち帰らなければならない。『純黒』の顔料を。」
「爺や。どうか......私の問いに答えて。」
「純黒の円輪......そこに絶底はいる。」
「爺や......どうか、ひとりにしないで。」
「そこにはある。真の純黒。」
「どうして答えてくれないの? 爺や、なぜ傍にいないの?」
「世界で最も黒いもの......暗黒にさえ、穴を開ける。」
「お願い......」
「私は帰れない。だが、持ち帰らねばならない。」
「どうか......また私に......」
「私は朽ち果てるであろう......そして誰からも忘れられる。」
「爺......いったいどこに?」
「お嬢様の世界のために。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます