第0.9話 出ずる純黒
ない......
はずがない......
生まれてこれるはずがない......
世界は『コレ』の存在を許可していない。
何よりも早く、何からも望まれぬモヤが出でた。
暗闇に蠢く『純黒』
暗闇の中で暗黒のよりも黒い意思
この世で最も黒い黒。
黒すぎるあまり、見る事さえできぬ絶対の黒。
世界でもっとも弱い絶底。
それはこの世の最低地点を遥かに下回っている。
肉もない。ただの意志。
存在への意思。
不可能なのだ。存在をすること自体が不可能。
しかし『コレ』は何故か在った。
本物の『 』の中より出でたのだ。
それは弱者達の総意であり、始まりの犠牲者。
灰の神でもあり、全ての前例。
この世の負を全て背負い、それを己が負で染め上げる最狂の意思。
最狂の精神を持ち、不可能を体現した得体もない何か。
灰にさえなれなんだ許されぬ意思。
皆、畏怖と畏敬の念を込めて呼ぶ。
【火の無きところに在った灰】と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます