果ての灰者
G.なぎさ
第0話 『灰と火』
この世には......
信じられないほどの強者がいる......
尋常ならざる力を持つ『巨火』が存在する。
――――――――――――――――――――――――
それは全ての生命の起源にして「愛」を生み出した命の母。
あらゆる全てを打ち消す純白と、溢れる生気で無から命を創生する。
この世で唯一「頂」からの寵愛を受け、起源樹へ辿り着いた巨鳥。
『始原の純白』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは原初からこの世にあり、何者も逃れる事のできぬ絶対の終焉。
いかなる干渉を持ってしても、変化の無い不変不滅の理を内包する。
膨大な術理と神算鬼謀の知略を持って、あらゆる状況をも凌駕する
『深淵の主』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは何者も辿り着くことのない、最高次元で静かに座す。
比喩や誇張の類ではない、真なる無限を掌握している。
あらゆる干渉を退ける無敵の波動、全てを一閃の元に滅す、不可避の権能を扱う。
『無限の守護神』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは生命でありながら、何者にも滅する事のできない不壊の肉体を持つ。
この世の条理の外にあり、未だ限界のさえ観測できぬ無制限の成長曲線を有す。
それはあらゆる伝説を、敗者へと堕する絶対破壊の一撃を持つ。
『頂の最高傑作』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは何人も想像さえ試みたことのない、規模の「文明」をただ一個で保有する。
絶えず増殖し続ける物質であり、休むこと無く永遠に世界を広げ続ける。
古今東西の全て文明でも、遥かに届かぬ『物量』であらゆる状況を押し流す。
『自律世界文明』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは尋常ならざる己が力の全てを捨て去り、悟りにて道を創った屍。
世界そのものを複製し、核心たる軸の平穏なる道へと導く救世の因果。
存在はおろか概念さえ超克し、ついには象徴へと至った安寧。
『正清』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは純悪に対し絶大な力を誇り、圧倒的な采配であらゆる窮地を跳ねのける。
この世の希望と成るべく生まれ、ただの一代で暗黒を打ち払う究極の光へ至る。
摂理を自在に創造し、閃く輝きでいかなる終わりでも天のもとに帰還を果たす。
『双閃の輝光』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それはこの世ならざるもの達であり、時間、空間、摂理の何にも縛る事はできない。
そこにあるにも関わらず、あらゆる全てに認知されぬ絶対干渉不可能な何かである。
それは全ての理不尽を司り、一方的に影響を与えうる絶対不可避の事象でもある。
『不観の長』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
それは全ての存在の終着点にして、この世の到達点である。
あらゆる法則や摂理を己が意志により、自在に創造する全能を保有する。
未だ限界さえも観測されぬ無敵の特異点であり、全てを超越する『最強』
『最終到達存在』
――――――――――――――――――――――――
他にも世界では多くの巨大な炎が燃え盛っている。
しかし、代償は必ず存在する。
強大な炎が燃え盛った後には、夥しい量の灰が残る。
抗う声も与えられぬ、生まれながらの弱者。
それらは常に強者を輝かせるため、世界の調和を保つために消耗される。
燃える事さえ許されぬ灰達。
儚い幸福の瞬間さえ、やがて訪れる不幸の前座に過ぎない。
虚無へと吸い込まれる灰たちの絶望が、いまだ炎の残り香をまとっている。
理に嫌悪され、不運を強制され、世界に疎まれる呪われた『底』
これは、そんな犠牲となった灰たちの絶望。
……犠牲となるべきだった灰達の醜い一生である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます