果ての灰者

G.なぎさ

第0話 『灰と火』





 この世には......



 信じられないほどの強者がいる......



 尋常ならざる力を持つ『巨火』が存在する。




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 それは全ての生命の起源にして「愛」を生み出した命の母。

 あらゆる全てを打ち消す純白と、溢れる生気で無から命を創生する。

 この世で唯一「頂」からの寵愛を受け、起源樹へ辿り着いた巨鳥。


『始原の純白』

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 それは原初からこの世にあり、何者も逃れる事のできぬ絶対の終焉。

 いかなる干渉を持ってしても、変化の無い不変不滅の理を内包する。

 膨大な術理と神算鬼謀の知略を持って、あらゆる状況をも凌駕する


『深淵の主』

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 それは何者も辿り着くことのない、最高次元で静かに座す。

 比喩や誇張の類ではない、真なる無限を掌握している。

 あらゆる干渉を退ける無敵の波動、全てを一閃の元に滅す、不可避の権能を扱う。


『無限の守護神』

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 それは生命でありながら、何者にも滅する事のできない不壊の肉体を持つ。

 この世の条理の外にあり、未だ限界のさえ観測できぬ無制限の成長曲線を有す。

 それはあらゆる伝説を、敗者へと堕する絶対破壊の一撃を持つ。


『頂の最高傑作』

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 それは何人も想像さえ試みたことのない、規模の「文明」をただ一個で保有する。

 絶えず増殖し続ける物質であり、休むこと無く永遠に世界を広げ続ける。

 古今東西の全て文明でも、遥かに届かぬ『物量』であらゆる状況を押し流す。


『自律世界文明』

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 それは尋常ならざる己が力の全てを捨て去り、悟りにて道を創った屍。

 世界そのものを複製し、核心たる軸の平穏なる道へと導く救世の因果。

 存在はおろか概念さえ超克し、ついには象徴へと至った安寧。


『正清』

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 それは純悪に対し絶大な力を誇り、圧倒的な采配であらゆる窮地を跳ねのける。

 この世の希望と成るべく生まれ、ただの一代で暗黒を打ち払う究極の光へ至る。

 摂理を自在に創造し、閃く輝きでいかなる終わりでも天のもとに帰還を果たす。


『双閃の輝光』

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 それはこの世ならざるもの達であり、時間、空間、摂理の何にも縛る事はできない。

 そこにあるにも関わらず、あらゆる全てに認知されぬ絶対干渉不可能な何かである。

 それは全ての理不尽を司り、一方的に影響を与えうる絶対不可避の事象でもある。


『不観の長』

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 それは全ての存在の終着点にして、この世の到達点である。

 あらゆる法則や摂理を己が意志により、自在に創造する全能を保有する。

 未だ限界さえも観測されぬ無敵の特異点であり、全てを超越する『最強』


『最終到達存在』

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 他にも世界では多くの巨大な炎が燃え盛っている。










 しかし、代償は必ず存在する。


 強大な炎が燃え盛った後には、夥しい量の灰が残る。



 抗う声も与えられぬ、生まれながらの弱者。

 それらは常に強者を輝かせるため、世界の調和を保つために消耗される。


 燃える事さえ許されぬ灰達。

 儚い幸福の瞬間さえ、やがて訪れる不幸の前座に過ぎない。


 虚無へと吸い込まれる灰たちの絶望が、いまだ炎の残り香をまとっている。

 理に嫌悪され、不運を強制され、世界に疎まれる呪われた『底』




 これは、そんな犠牲となった灰たちの絶望。


 ……犠牲となるべきだった灰達の醜い一生である。


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