第8話 友だち
──キーンコーンカーンコーン
『あれ?もう終わりか。よし、じゃあ今日はここまで。続きは来週ね。
しっかり復習するように。高校数学はちょっと置いていかれるとまあそれは大変なことに…』
『もういーよ竹ちゃん笑早く終わろーよ』『昼休み無くなっちゃうってー笑』『腹減ったー』
『あーそう?じゃあ日直号令よろしく。』
『起立、礼、着席。』
ガヤガヤ──ガヤガヤ────
授業が終わったと同時に教室が騒ぎだした。
ふぅ…やっと終わった。これで4限終わりだよな?10限ぐらい受けたような気分だ。
それにしても竹地先生、相変わらずクラス人気がすごいな。授業も分かりやすいし。
数学を担当していて、俺のクラス1年3組の担任をしている竹地先生。通称竹ちゃん先生。いつもやる気の無さそうな感じで先生をしているが、逆にそれが好印象なのか先生ランキングとかいう謎の話題で1位を獲得している。休み時間は先生の周りにいつもクラスメイトが群がっている。
まあ俺は1回も話したことないけど。
……昼休みか
クラスメイトの奴らが机を動かして円作ったり、向かい合わせにしたりしてご飯を食べる準備をしている。
当然だが俺にそんなことを一緒にする友だちはいない。
あーー、帰りたい。
そうだ。そもそも前と何も変わってないじゃないか。深夜の教室で偶然出会ったクラスメイトと話したとしても、朝の教室に入ればまた同じ日々がやってくる。分かってたことじゃないか。なんで朝あんなに浮かれてたんだ。バカじゃねえの…。
俺に友だちなんて……
『おはよ』
………え?
あれこの声…
下を向いていた俺の目が声の方へゆっくりと視線を向ける。
そこには気だるげな目でこちらを見つめている女子がいた。
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