第2話 なんかいた
うそだろ。
びっくりして声が出ない。
今深夜の3時だそ?流石にそんなわけ…
風がやみカーテンがゆっくりと壁の方へ戻っていく。
「あっ」
そこに居たのは同じクラスの女子だった。
彼女は長く綺麗な黒髪を風でなびかせながら、気だるげな目でこちらを見つめている。寝てるのか?いや目はあいてる。起きてるのか。でもなんかふらふらしてる。今にも倒れそうだな……
……あっいや!それよりも、えと…名前なんだっけな…
あっ確か…
「はっ、初音さん…?」
数秒の沈黙の後、先に俺から口を開いた。
もう二学期も後半だというのに未だにクラスのほとんどの名前を覚えてない俺だが、何故かこの人だけは覚えていた。
俺の左斜め前の席でいつも友達に囲まれていたのを覚えている。友達から「初音初音ー!」って呼ばれていたような。
あーだから覚えてたのか。でも女子同士って普通名前で呼び合うんじゃないのか?「りほー」だの「ゆいー」だの。
いやどーでもいいかそんなこと。
あっそういえばいつも授業中寝てたっけ。正直起きてるとこを見たことがない。それで先生に「じゃあ初音ここ読んで」って言われてどこか分からずもじもじしてたのも覚えてる。ちょっと可愛かった。そしたら横の友達がここだよーって指さしてたな。
いや俺めっちゃ覚えてんじゃん。見すぎだろ。バレてないかな…
そんなことを考えていると初音が口を開いた。
『えっと』
あっていうか声初めて聞いたな…。綺麗な声…。
『誰…だっけ?』
……
……えっ。
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