第2話 記念碑

リョウ宅、今日はリョウの妹とミオと三人でリアルドミニオン


リョウ「46、47……48点!」


リョウ「ま……敗けたー!」


妹「私の勝ち?!」


ミオ「そうだよ♪」


妹「やったー!!」


ミオ「妹ちゃん強かったね!」


妹「沢山集めたからね~、当たり前だよ~」


リョウ「まさか、『記念碑』で勝利点トークンを集めまくって、その差で敗けるとは……」


ミオ「『記念碑』は弱い、って前言ってなかった?」


リョウ「言ったし、実際弱い」


妹「強いよ?! だってこのジャラジャラ増えるもん」


リョウ「勝利点トークンね。普通は他のコンボデッキに速度負けするけど、今回はまぁ手加減したというか結構グダグダしてたというか……」


ミオ「ハイハイ負け惜しみ。てか妹ちゃんってコツコツ集めるのが得意なんだね!」


妹「得意だよ!」


妹「!」


妹「ミオちゃん見て見て! これ! カレンダー見て!」


ミオ「うん? カレンダーのどこを見ればいい?」


妹「これ!」


ミオ「これ? ピンクの丸印が毎日ついてるね」


妹「私がお風呂掃除したら、ここに印つけてるの」


リョウ「うち、家事手伝いで小遣い貰えるんだ。ピンクは一個十円」


ミオ「へぇ~! 毎日コツコツやってて偉い!」


妹「それからね、私のシール見る?」


ミオ「シール? 見る!」


リョウ「見なくていいよ……。妹が集めてるポケモンパンのシールだから」


ミオ「妹ちゃんに意地悪言わないの。見せて?」


妹「これ! いっぱいでしょ~!?」


ミオ「本当だ! コツコツ集めたね!」


妹「うん!」


ミオ「凄いよ~」


妹「うふふ!」


リョウ「そんなの集めてもなぁ……」


ミオ「あれ? さっきコツコツ勝利点集められて負けたの誰?」


リョウ「むっ?」


ミオ「何事も続けるのが大事だって教訓だと思うけどなぁ」


リョウ「むむっ?」


ミオ「ねぇねぇ、妹ちゃん。お兄ちゃんは家事やってるの? カレンダーのどこがお兄ちゃん?」


妹「全然やってないよ!」


ミオ「えぇ~~!?」


リョウ「むむむっ?」


ミオ「それって……お兄ちゃんは偉くないねぇ!」


妹「偉くないよ!!」


ミオ「いひひひひ!」


妹「きゃはははは!」


リョウ「ほげっ……」




リョウ「そうだ。俺は……何もコツコツやってることがない……」


リョウ「続けてることと言えばアプリドミニオンのデイリーだけ……」


リョウ「継続の力を侮って……だから『記念碑』なんてカードに負けたりするんだな……」


記念碑「今の発言は誠に遺憾です」


リョウ「……はぁ」


妹「にいにもコツコツやってるよ」


リョウ「えっ」


ミオ「あるの?」


妹「にいにとミオちゃんもでしょ? ずっと毎日でしょ?」


リョウ「何が?」


妹「いつも二人で学校行ってる!」


二人「あ」


リョウ「あぁー……」


ミオ「確かに。毎日っちゃあ……毎日か」


妹「ねぇ、なんで?」


リョウ「なんでって……なんで?」


ミオ「……アタシに聞かないでよ」


ミオ「……バカ」




記念碑「記念碑です。断じて弱くありません。毎ターンデッキを引ききって使えば勝利点トークンをモリモリ稼げますよ。え? 引ききれるなら属州勝った方が強い? まぁ、それはそう」




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