幕間:記録と日常

< The Secret Archives >

Tips Vol.1

(おまけの章)

(読むと物語がちょっと面白くなる、かもしれないTips集)(順不同)

(一部の内容に重複あり)(盛大にネタバレを含みます)

(書き忘れがあったらしれっと後ろに追記します)



・・・



・魔力と魔力は引かれ合う。惹かれ合うといってもいい。



・魔獣には動植物が魔力汚染により変異したものと、混沌とした魔力溜まり(多大属性魔力座標)から発生したものの2種類が存在する。分類上、前者を生体魔獣、後者を魔力体魔獣と呼ぶ。後者の方が魔力比率が高い分、等級が高くなりやすい。



・魔獣は本来、食事も睡眠も不要で、子孫を残すこともできない。だが生体魔獣は獣の名残として欲求を残しているほか、魔力体魔獣も捕食行動を行う。



・魔獣は死ぬと構成魔力を魔力粒子として放出させる。そのため、生体魔獣は死んでも魔力比率に応じてある程度の残骸を残すが、魔力体魔獣は死ぬと死体が残らない。



・魔獣を発生させる多大属性魔力座標のことを正式には""と呼ぶ。この特異点の場所は固定されておらず常に移動しているほか、ジャミングのようなものにより特異点自体の察知は非常に困難となっている。



・セプテントリオンと呼ばれる7体の第七等級魔獣が同時多発的に世界に現れたことがあったが、『執行』の魔法少女によって討伐された。同時期に7名の魔法少女が行方不明になっている。この出来事は七星事変と呼ばれている。



・魔獣等級は第一から第八まであり、等級が上がるにつれ強大な存在と認識される。一般人にとっては第一等級ですら対処は不可能に近く、軍人であっても第二等級以上と対峙することは避けるべきとされている。



・第八等級魔獣は世界的にも数年から十数年に一度の頻度でしか出現しないので、実質的な最上位は第七等級魔獣と言われている。



・魔獣、特に魔力体魔獣は優先して人間を襲うため宗教的なイメージをつけられやすい。そのため、魔獣を崇める新興宗教などが発生し、自ら襲われるような行動をとる殉教者なども生まれてしまった。



・殉教者は他人も魔獣に襲わせるような行動をとることもあり、魔法少女に組織的な敵対をしてくる場合もあるので、テロリストとして最大限に警戒されている。



・一般人の中にも魔法少女を襲おうとする身の程知らずが極稀に存在するほか、そこまでいかずとも魔法少女を晒しあげようと考えるものもいるが、それらは全て認識阻害の魔法によって妨げられている。



・世界的認識阻害魔法の認識阻害範囲は、その魔法があまりにも大規模すぎるために名前と所在地と本人がどうしても隠したい秘密、程度に留まっている。



・魔力現象はあらゆる物理を超越する。世界に魔力現象という過程と結果を上書きする形に近い。



・未だ魔力には未知が多いが、技術的運用はさまざまな研究により日々進歩している。それは対魔獣のみに限らず、経済や福祉などでも活用を見込まれている。



・非魔法少女、特に大人の男が魔獣と戦うための技術については非常に多くのことが試みられたが、結局のところ高等級の魔獣と戦う前線に立てるほどの戦力には、絶対になり得ないということが判明しただけであった。



・『発火』の魔法による"発火実験"は魔力発電の方策として考案されたが、実施前に廃案になった。エネルギー問題の解決を期待してのものだったが、戦力効率の問題と、非魔力で可能なことに魔力資源を使うのは非効率であると考えられたためである。



・『再生』の魔法による"再生実験"はその昔、『再生』の魔法少女本人から立案をされた秘匿研究であり、様々な生体的実験が為されていた。本人の意思により、現在は少し方向性が変わったとされている。



・『自動』の魔法による"自動実験"は最終的に万が一『執行』が壊れた時の再利用を目的としており、当然『加速』より優先されるためその際に前被験体は処分される可能性が高かった。しかし政治的な思惑によりどちらの情報も限界まで絞られてしまったため活用はされないまま終わった。



・『阻害』の魔法による"阻害実験"は想定を遥かに超えて大成功を収めた。現在『執行』と『反射』の二人を除いた魔法少女全員と『阻害』は魔力パスで結ばれており、認識阻害はそのパスを通じて対象の魔法少女から行われている。



・魔法少女の正式名称は"魔力適合法対象少女"だが、ほぼ呼ばれず書面以外ではまず使われない。



・魔力適合法により魔法少女は魔獣討伐および魔力研究に協力する限り、様々な特権的権利を得る。具体例として一定の税制免除と法的免責があるほか、公共交通機関が無料で利用できたりすることなどがある。この権利は本人の家族にも一部適用される。



・魔力適合法により魔法少女の権利は大きく制限される。具体的には義務教育を受けられなくなり不定期教育になること、許可なく居住の変更や就労および婚姻ができないこと、選挙権はあるものの被選挙権がないこと、未成年のうちは定期的な面談をうけること、などがある。



・"魔力適合法"は一般に使われる件名であり、正式な法律の題名は"本国における魔力に適合した国民の権利と義務に関する法律"となる。略称は"魔適法"。



・ファンタジーを体現する魔法少女の世間的な評価は高く、女の子の将来の夢トップ10には常に魔法少女が入っている。しかし年齢が上がるにつれて徐々にそのランクは下がる。これは魔法少女が自分の意思でなれるものではないということを理解し、夢から憧れに推移するからである。



・魔法少女の平均年齢は14歳。



・魔法少女の人権保護活動というものもかつて存在したが、現在それは下火である。絶対的に守られる立場から守る側の何を守れるというのかという話でもある。



・海外にも魔法少女はいる。そのほとんどは欧州に集中している。



・海外英語圏での魔法少女の正式名称は"Warranted Independent Taskforce Command Hunters.(認定独立特殊部隊の軍務狩人)"略して"WITCH(魔女)"となっている。



・海外ではウィッチと呼ばれがちな魔法少女だが、宗教的に魔女の名称が忌避される場合があるので他に"MMG - Military Magical Girl(軍務魔法少女)"や単に"Magical Girl(魔法少女)"と呼ばれることもある。



・"始まりの魔獣"と呼ばれる魔獣は7体存在し、2つの超大国に落ちた世紀末の隕石群から生まれたとされる。現在の魔獣等級に当てはめると全て第七等級相当とされている。



・現在存在する魔獣は全て"始まりの魔獣"から生まれた存在。討伐された7体の魔獣の魔力残滓が束の間の凪の期間を経て重なり合い、多大属性魔力座標……魔獣を生み出すいくつかの特異点と化した。



・太平洋の向こうの超大国は国土の多くを魔獣に奪われてしまっている。また、大陸も魔獣の発生が非常に多く、人の住めない地域が多い。



・魔獣の総数は不明。現在は討伐数と発生数がほぼ均衡していると考えられているが、地域によっては発生が大幅に上回っていて地域外に溢れてくることがある。これはスタンピードと呼ばれ、特別な大規模魔獣災害として警戒されている。



・対魔獣組織は通称として魔法少女隊と呼ばれることもある。これは前身である組織の名前だが、知名度が高いため普通に名称として通じる。これと区別して前身の組織のことを"始まりの魔法少女隊"と呼ぶことが多い。



・対魔獣組織の前身である"始まりの魔法少女隊"は一人の大人が発足させ、魔力研究がほとんどなされていない段階の魔法少女たちを越権的に指揮していた、団体ともいえないような集団。



・"始まりの魔法少女隊"は1人の大人の指揮官と7人の魔法少女によって構成されていた。現時点で生き残っているのは『再生』の魔法少女ただ一人。



・始まりの魔獣は魔法少女隊によって全て討伐されたが、魔獣が再発生したことと、大規模戦闘により魔法少女隊がすでに壊滅状態であったため、国家的な組織として吸収され対魔獣組織に再編された。



・対魔獣組織も当初、大人が魔法少女たちを指揮していた。しかし様々な事案が起こったことにより上手くいかなかったため、現在のように少女が少女を指揮する形に落ち着いた。



・対魔獣組織は全16部隊。第一が総本部、第二から第九が前線担当、第十から第十六が後方支援担当となる。



・関東には重要拠点が多いので対魔獣組織の総本部と前線部隊である第一から第四部隊、後方支援としての第十四から第十六部隊の計7部隊が配置されている。全16部隊なので半数近くが集中していることになる。



・対魔獣組織の第五部隊と第十三部隊は東北と北海道全域を担当しており、国土の半分以上を2部隊でカバーしていることになる。北海道には昔から広範防衛に適した魔法少女が配置されているため何とか対処できている。



・東北地方は当初第四部隊が担当していたが、そちらは関東防衛に回された。



・基本的に魔力適合した少女は面談を経て、対魔獣組織の支援部隊に新人として配属される。そして固有魔法に覚醒するか、基本魔法でも魔獣との戦闘が可能と判断された場合に前線部隊に回される。



・魔法少女は認識阻害により名前を認知されないので、基本的には魔法名で呼ばれている。そのため、固有魔法を持たない非覚醒の魔法少女はID番号で呼ばれるか、あだ名をつけられる。



・・・

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