第2話 94点のセツナくん
わたしは『ショタっ子大好き女子大生』ですが、外見から『そう見られないように』気を使っています。
冷静に考えればそんな趣味、
なので、身なりには気をつけているんです。髪は黒髪ロング。服装は白を基調にしたものが多いですね。
いわゆる『お嬢様スタイル』を心がけています。
一見してわたしを、
「あの
と見抜ける人は、少ないんじゃないでしょうか(被害妄想)。
だったら、よいのですけど……。
◇
8月の初日。午前9時は過ぎていますけど、まだ朝の時間。
今日は午後から、『わたしの趣味に
ですが、家を出るにはまだ早いです。正午開店のお店まではバスを使って、30分もかかりませんし。
両親はすでにお仕事に出ていて、家にはわたしひとり。
最低限のお掃除はわたしの担当なので、家の中に軽く掃除機をかけて朝食の後片づけを終えると、玄関と家の前の道もきれいにします。
(あー……今日も暑いですねー)
できるなら1日中、家でクーラーの番人をしていたい気もしますけど、楽しみにしていた本の発売日ですし入手しないわけにはいきません。
新刊は、できるだけ発売日に購入。作家さんへの感謝とマナーです。わたしのように消費しかできない人間は、生み出せる人をリスペクトしないといけません。
そして、もっともっと、すばらしい作品を与えて欲しいのです!
(よし! お掃除終わりっ)
家の前の道の掃除も終わり、わたしが家の中に戻ろうとしたそのとき。
「あれ?
見知った顔が家に近づいてきたので、礼儀として声をかけました。
「あっ、こころちゃん」
確かに「こころ」はわたしの名前ですが、あなたに「こころちゃん」と名前で呼ばれる
彼は、竹川コーイチくん。
わたしの友人の彼氏で、高校2年生のときはクラスメイトでもありましたけど、それだけの関係です。
「ここ、こころちゃん
この辺りの
そんなどうでもいいことより、わたしには気になることがありました。
それは竹川くんが、わたし好みの『半ズボンの低学年男児』を連れていることです!
わたしの視線を読み取ったのか、
「こいつ? 弟のセツナ」
竹川くんが彼を紹介してくれました。
弟と紹介された彼は、めっちゃかわいい美少年……ともいえない、美男児です。
身長は120cmあるかどうか。ほっそりとした身体つきで、未成熟な
セツナくん? かっこいいお名前ですけど、お顔は……もうすこし髪が長ければ、女の子と間違われることも多くなりそうな、中性的な雰囲気です。
長いまつけのぱっちりとしたつぶらな瞳で、唇も色鮮やかというかハッキリしています。
わたしの好みピンポイントだからわかりますけど、2年生ですよね?
年齢はまだ7さいでしょうか。
やっぱり1年生と2年生では、雰囲気が違います。
2年生の子はちょっとおにいさんぶってるというか、まだまだ甘えたい年頃ですけど1年生が入ってきて自分たちは上級生になったんだからいつまでも(中略1)……だけどやっぱりまだ幼さが抜けきれず(中略2)……そんなところが2年生の魅力なんですよっ!
わたしは心の中で、彼……セツナくんの評価点をつけていきますが、特殊な訓練をしているのでその作業を顔に出すことはありません。
かわいい男児に点数をつけるのはショタ
わたしも中学のときは『美男児ノート』に見かけた男の子の点数を記録してましたが、あれは黒歴史となりました。
ダメなのです、それは。想像してみてください、ロリ男が街で見かけた幼女に点数をつけてノートに記録していると。
吐き気がしますね、キモ過ぎます。
中学生の頃わたしがやっていたのは、そのキモ過ぎと同じことだったのです。
それに気がついた高1の夏。わたしは『2冊の美男児ノート』を処分しました。
……はい。では、採点結果を発表をします。
お顔は文句のつけようがないですね。目がぱっちりしてて
半袖半ズボンから伸びる、細い手脚もすてきです。夏っぽく少し日焼けしているのも、健康的でいいです。
低学年の男児らしく、お外で遊んでいるのですね。夏休みですもの、たくさん遊んでください♡
でも熱中症には気をつけてくださいね。日焼け止めもヌリヌリしましょう。男の子に少しの日焼けはよいアクセントですが、焼きすぎは禁物です。
それにしても、かわい〜ですぅ〜♡
子どもモデルさんにだって、ここまでの美男児はまれでしょう。もしかして、モデルさんなのでしょうか。
そんなわけでセツナくんの美男児点は、100点満点中の94点です♡
これは相当な高得点。彼、わたしの好みど真ん中の、ドキドキきゅんきゅんな美男児です。
ですけど、
「弟さん? 似てませんね、まったく」
感じたことを口にしてしまいました。
なんでしょう? このふたり、兄弟という雰囲気がありません。
竹川コーイチくんは、まぁ……甘めに採点しても「普通?」な見た目なので、文句なしの美男児なセツナくんと全然似ていません。違う種族です。
「かわいいから誘拐してきたとか……じゃ、ないですよね?」
なのでついポロっと、本音が溢れてしまいました。
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