〜過去編ボーイスカウト❸〜

そうして翌朝、既に船室内の荷物を交換し終えていた頃、るしあが起きた。

「ん〜。おはよう〜。」

るしあは船室内に行ったり来たりする船員と新しく搭乗して来たオレンジ髪の女性に驚いて、マリンに声を掛けて来た。

「急に知らない人が部屋に入って来たんだけど…」

 

マ「ああ、実は…」

マリンは粗方の事情を説明すると、そんな訳だからこの船とはバイバイだね、そう言うと、るしあの荷物を片付け始めた。るしあは少し後悔する様に、しかし微塵もそれを感じさせずに、自分でやる、と片付けをし始めた。

 

しかし、るしあの荷物は意外に多かった。なんせ家財全てだ。早く渡さないと豹変して襲って来るのでは?そう考え、片付けをしていると、るしあが大切にしている洋服が見つかった。

それに触れようとした瞬間、背筋に悪寒が走り、振り返るとるしあの目は真っ赤を通り越して少し黒くなっていた。

マ「え、あ、御免、触れちゃったかな。あはは。」

 

マリンは直様に其の洋服から離れると、他の物を片付け始めた。るしあの赤黒い目は元の?赤さに戻っていた。

 

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