〜過去編➓るしあ〜
マリンは、前船長の家がある土地まで間違えずに辿り着くと、そこで一旦、一味にお別れを言った。
「済まんが諸君、自由にするのは結構だが、一夜だけで良い。今日までの事は忘れてくれないか。」
そう言うとマリンは、其の土地にある唯一の家に行った。表札があり、「麗羽」と書いてあった。
其処では、少女が一人で暮らしていた。
其の少女の名前はるしあと言った。
マリンは直ぐにるしあと仲が良くなり、一晩中るしあと共に過ごした。
マリンは決めていた。この娘と航海に出ると。
人と接する仕事を辞め、人を殺めても尚、この少女と出会ったが故に、マリンは人と接するのが好きになった。
そして、るしあに航海の話を持ち出し、持って行く物は無いかと尋ねた。そうすると、
「お父さんもね航海をしてるの。」
そう言って一枚の写真を持って来てくれた。マリンも良く知った写真だった。
おずおずと、其れを持って行くの、と尋ねたら、悪いの?と言われ、一瞬険悪な表情が女性から漂った。
「何でも歓迎するよー。」
そう言ったら、るしあは家にある家財全て持って行きたいと言い出した。
そうこうしている内にマリンはるしあを船に連れて行った。
「わ〜大っい〜。」
マリンが前の船長から奪った海賊帽を序でにと見せた時からだろうか。そうして、いつの間にかるしあの目の色は赤く染まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます