〜過去編❾航海〜
前船長の家があったのは、海賊島から北に30海里程離れた場所だった。マリンは其処に至るまで少し、冒険をした。
マリンが船の指揮を執ると、時に小々波が渦潮に変わる前に其れを見抜き華麗に回避し、刻に滅多に現れないカモメが陸地を運び、斎に嵐の中を帆を張る向きを変えるだけで軽々と突破した。
渦潮を回避した時には敏腕の女海賊と言われ、カモメが通る時は幸運の女海賊と呼ばれ、嵐を突破した後は、"マリン船長"だった。
今此処に、ついこの間まであくせくしながら働いていた女性の面影はもう無い。あるのは、ただ貪欲に海賊たらんとする執念深い女、あの少女の魂と笑顔に感銘を受け、後悔と共に航海をする宝鐘のマリンだった。
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