〜過去編❸夢〜
?「マリン〜、仕事がまだあるよ〜。次は厨房の手伝い、先ずは皿洗いから〜、カシャッカシャシャシャシャシャシャシャシャガッ、それ終わったらお客様の布団を敷いて置かないといけないから、早・く・片付けてね。それと、…、…。それと、…」
(素早く、しかして丁寧に。)
(もっと早く、早く、早く…)
もっと早く、もっと早くと、気付いたら全身が熱に包まれている。仕事で疲れて出した熱と、身体を動かし過ぎて出した熱が合わさった様な熱、熱、灼熱…
「ハッ」
起きたのはその沈まぬ太陽の灼熱に魘されたからであったが、不思議と身体は熱く無かった。
(あ〜、もう。何でこう…)
(もういっか…)
(あのまま醜い老婆になっていたよりは、ずっとマシな死に方だなぁ…)
なんて、全てを諦めたマリンはふと、沖合を見た。
勿論、何も無い。
ただの潮騒が静かに、マリンを歓迎するかの如く、ただ時をゆっくり流していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます