〜過去編❷潮騒〜

(あ〜あ。こんな事ならもっと遊んどいた方が良かったなぁ。)

 そう思うと何だか虚しい思いがした。

 

 取り敢えず、SOSだけ書いて置いて、無人島、どうにもならない状況。マリンは半ば諦めて自分がもし海賊だったらという妄想に耽る事にした。

 

(海賊だったら、出来れば、金銀財宝より、多くの仲間と、安心安全に交易できる免許と、って、それは海賊じゃないか。)

 

(金銀財宝は出来れば接客業時代に欲しかったなぁ…売るだけで一生分の交通費も食費も賄えるし…仲間は今欲しかったな。どうせ死ぬならみんなで飲んでは笑いながら死んで行きたかった。)

 

 妄想も諦めて、諦めて寝る事にしたマリン。砂浜はサクサクと柔らかく、潮騒がまるで子守唄みたいだった。

 

(むにゃむにゃ。昨日までの疲れが取れる様だ––)

 

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