世界の破滅
金髪の女勇者・アキ・ローゼンタールは不可解な人影を探していた。否、人影というにはあまりにか細い其の面影を–––––
協会は次から次へと不確かな道程で出現するアンデットを掃討出来るようにアキロゼに申し付けていた。
海岸、海、入江、山の中、小高い丘の上、城下町––其の道程に其の出現頻度に、不確かな面影を捉えた。
人が操っているのだ。アンデット共は、そして、不確かなのだ。其の方法が。協会から依頼された「未知なるアンデットとの遭遇」は、既に殺して来た。だが、其の先に、一人の少女の姿が浮かび上がるとは、想像だにしていなかった。
薙ぎ倒せば薙ぎ倒す程、其の不可解は確信へと変わり、遂に、あの一人で駆けて行くあの少女の魔力に迄辿り着いたと言う訳だが–。
其の少女に近付く際、又しても協会から依頼持続の相談が届く。あの少女が居たとした宿屋にアンデットが出現したとの事だ。
どうやら、あの少女は無意識の内に自身を守らせる囲いを遅れ馳せながら作っているのでは無いかと。
死の象徴であるアンデットが街中に現れただけでも相当危険なのだが、其方は任せたと、通信機越しの同僚ロボ子に任せた。
何せ目の前からあの少女が消え失せるのだけは避けたい構えなのだ。
アキロゼはるしあを追い掛けた。と其の時、戦意に気が付いたのか、アンデットとサメの幽霊が同時に出現した。
本能的に察する。これは危険が過ぎる。
アキロゼは手に握っていた両刃剣を強く握りしめると、斬撃一刀。アンデットと鮫を斬り伏せた。
次々にアンデットが街中に出現する。右1、左2、3体。後方に死角なし。前方の四体纏めて横薙ぎに斬り伏せて、アンデットだから復活を考慮しないとね。
まだ居る…次に来たアンデットも同じ様に大きく踏み込み、瞬く間に掃討すると、見つけたるしあに向けて剣を突きつける。
アキロゼ「あなた、一体何者。」
すると思ったより丁寧に
「ネクロマンサーの潤羽るしあです。」
と帰って来た強い風が吹く中、声が伸びた。
「るし…フ・ァ・ー・!?」
其の瞬間だった。
「!!」
「「「ヌグエェアアアァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」」」
正体不明の光が先程麗羽るしあと名乗った人物奥底から出現し全身を包んでは爆発する。いや、した。
巨大な火の柱が真白く変わっては巨大になって行く。異常に甲高い音を伴って、巨大な竜巻が一瞬生じては、雷が中心から四方八方に巻き付いて、人の姿に移り変わって行く。
いやデカい。
協会が出しているA級賞金首(35Pタイタン等)なんてザラにいると思わせる戦力。見積もって私の練度の3、いや5倍は固い。
戦力差、絶望が望外の程。雲泥の差にも程がある。
想像を超えて天を衝く巨人。其れがルシファーだった。
今、麗羽るしあはこの巨人になってしまったのだろうか。
潮風は、サメの幽霊の大群へと姿を変えていた。
時は来たり。世界が終わる其の時が、堕天(女体化)をし、其の心が助けを求めていたのにも関わらず世・界・の・暴・風・に閉ざされた結果がこれである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます