洞窟

 指先の冷えを観測し、目が覚めるとそこは洞窟であった。

 

 マ「ううん…うっ。」

 

 激しい頭痛に襲われ、頭を抱えるマリン船長。

 

 マ「はっ」

「「るしあーー」」

 

 洞窟内に響き渡る声。しかし、返事は返って来なかった。

(兎に角、ここから出ないと。)

 

 ヨタヨタと歩き始めては転び掛けるマリン。

 

 なんのそのと、マリンは微かな光に向かって歩き始めた。

 

 ある程度近付き、暗闇にも目が慣れると、出口からよく知った顔が飛び出して来た。

 

 ぺ「「おーいマリン〜。大丈夫ぺこか〜。」」

「そこは右下の岩から迂回すると早いぺこよ。」

 

 マ「ありがとう。」

 

 ぺ「手を貸さなくても大丈夫っぽいぺこね。」

 

 マ「よいしょっと」

 

 ぺこーらの下まで辿り着いたマリン船長の顔色は悪かった。

 

 マ「どうしてここに居るのが分かったの。」

 

 ぺ「この前もその前も盗まれた人参はここに置いてあったぺこから。もしやと思って。」

 

 マ「どういう…はっ」

「まさかもう全部盗まれちゃったって事!?オーマイガー!」

 

 ぺ「違うぺこよ。」

「兎に角、先ずはるーちゃんを探すのが先決なんだぺこよ。」

 

 マ「そ、そうだ。」

「「「るしあ〜〜〜」」」

 

 再び洞窟内に木霊するマリンの声は、無情にも行き場が無かった。

 

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