病院
道すがら、陸地に沿って浅瀬をゆっくりと航行していると、街外れに割と大きめの病院の角を見つけた。
マリン「やっぱりか。噂通りの場所にあるとはね。」
望遠鏡を目から離し、安堵のため息を放つマリン船長。
どうやら、王都や城下町には医療設備だけを整えた施設を建てる事は難しく、仕方無く病院を海岸沿いに設置したと言う噂は本当だった様だ。
マリンは、それが見える位置に船を停めると、るしあと筏を漕がせる船員とで、病院に向かった。
病院は大きかった。大きな金色の十字架に銀色の鷲が描かれた青の看板や旗が所々見えるだけでは無く、学校を改造したものなのか大きなプールなんかも有った。また、閑散としているのか、人の出入りは滅多に見られない。
其の病院に入ると、入口の所で名前と生年月日、そして血液型を書かされ、待合室で待つ様に言われた。
待合室には、何人かチラホラと人が居る。
例えば、頭に包帯を巻いた華奢な悪魔・常闇トワが項垂れながら、其の隣に居て終始謝っている天使、ガタイの良いショタと言うだけでは無いだろう存在感・天音かなたと何やかんやあった雰囲気である。
常闇トワ「まさか本当に、悪魔のツノが生えて来て、其れを思いっきり折られたり引っこ抜かれたりするとは思わないじゃん。」
天音かなた「だから御免ってば〜。」
癒月ちょこ「次の方ー。」
トワ&かなた「「はい。」」
妙な静寂が流れる。そして、マリンの番がやって来た。
ちょこ「次の方〜。」
ちょこっと鼻声の魅惑の小悪魔声が流れる。
そこに居たのは、魅惑のセクシー美ボディ、胸の谷間が見える格好になっている角の付いた悪魔の保険医、癒月ちょこだった。
ち「どうされたのかしら。」
マリン「はい。」
「先日、ちょっと、エルフに矢を射かけられまして、肩に傷が…」
そんな事より、ヤバくない?目の前にこんなセクシーな胸元を見せ付けるナース姿なんかされたら、とんでもない事になってしまう。
癒月ちょこ「傷の方は然程深くはないから、腕の方は元に戻りますわよ。ただ、三週間は安静にして置いて下さい。かなり危険な跡が付いてます。くれぐれも、元のエルフには近寄らない様に。」
マリン「あの..先生、近寄ったらどうなるんですか。」
ち「爆発するわ。」
と言うと、傷口に軟膏を施し、縫ってくれた。
「何されてたんですか。」
るしあ「私を守っててくれて…」
ちょこ「あらやだ。」
「其れなら特別に代金は取らないわ。はいこれ、外の薬局で買って帰ってね。それと、何度も言うようで悪いけど、三週間は安・静・ですよ。」
と念押しと、処方される薬の書かれた紙を渡された。
マリンとるしあは外の薬局で薬を買うと、船に帰って再び、停留所を探した。
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