9.冬、雪

雪の降る中

君は僕の目をじっと見つめたまま

僕ももちろん君の目を見ているけど

本当はすぐにでも逸らしたい

雪の舞う様を見ている方がどんなに安らぐ事か


君の目を見ていたけど 口が開いたのは分かった

何を言うのかも 何となく

でも

その時雪が激しく舞った

そして

君の口は閉じていた


ずっと僕は動かず

君の姿が雪の舞う中に消えて行くのを眺めていただけ

どんなに辛かった事か

なぜ君の姿がこんなにも揺らぐのか


雪の降る中

僕はじっと静かに蹲った

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