11.君の側に居る僕は君の傍に居ない
君じゃないから 解ることがあるんだ
君が自分のどこかを嫌っていても どこも好きになれなくても
僕は君の全てを好きになれる
たぶん 僕の目には君の綺麗な所しか見えてないよ
だから そんな僕はさ 君の事も好きなんだよ
君じゃないから 解ることがあるんだ
君が生きることに嫌気が差しても どこにも居場所が無いと思っていても
僕は君の事をずっと待ってる 生きていて欲しいと思うよ
君を背負って生きていけるくらい 強くなって
一緒に居場所でも探そうか ずっと待ってるから・・・
本当は 君じゃないから 解らないことばかりなんだ
君は自分の事を好きになろうとしているのかもしれないし
君には もう 僕じゃない誰か 待っている人が居るのかもしれない
僕じゃないから 解ることって何だろう
君の目には 僕のどこがよく見えているのかな
僕の知ってる 自分の嫌いな所が見えてても嫌だけど
それよりも 僕の知らない嫌いな所が見えてる方が嫌だな
だって なんか
知らないうちに嫌われてるって 何よりも無力な気がしてならないんだ
嫌われることが 好かれることより辛いことだと思ったら
もう 君の側に居ることが怖くなった
光を失くした君の瞳を見ていたら 悲しくなるから
僕は遠くの方を見て そこには何にも有りはしないけど もしかしたら
幻想の蜃気楼が現れて 君の姿を見せてくれるかもしれない
それが 僕の不安に嫌気を刺してくれるかもしれない
きっと 不安が僕の心を覆ってるだろうから
僕は 僕の知らない嫌いな所が見えてないんだ それに
だから 僕は自分の事を好きになろうとは思えないんだ
「暇な訳じゃないんです。大事な人を待ってるんです。」って
誰に言おう 淋しさを抱えた僕の姿は 誰の目にも映らない
膝を抱えて 顔を埋めて
君の事 ずっと想ってる間だけ 君の瞳に光が灯るよ
君が生きるために必要な全てのものと同じ存在になれた気がして
少しだけ嬉しくて もう 本当に君の側から離れたくなった
僕の側には 現実が待っているだけだから
君じゃないから 解ることがあるんだ
だけど 君の知らない嫌いな所は見えていないんだ
僕は君の全てを好きになれる筈なのに
君の知ってる 君の嫌いな所すら 見ようとしていない
それを知ったら 尚更 此処を離れたくなるだろう
全てを知ってなくて良かったよ だって
僕は 本当に君の傍に居ることが怖くなってしまうから
此処が君の居場所だったらいいのにって考えた
――君の手を握って
「ずっと、此処に居るから」と囁く
そうだったら 一つはっきりすることがある
――君の頬に触れて
「ずっと、待っているから」と誓う
君は自分の事をちゃんと好きになれただろうし
君はどこにも誰の所にも行くことは無かっただろう
すべて 僕の都合のいいように事が運んでいれば
今も君の瞳の中に光が灯っていて
僕は君を背負ってそれがずっと僕を生かしていただろう
少しだけ高い所から見た君の目には
淋しさを抱えた君の姿は映っていたのだろうか
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