3.つまらないと感じた所為で 又はお陰か・・・
何も感じなくなってしまったのに 何かを感じている
つまらないと微かに感じているのだ そのもどかしさを消したいのだが 何故か 行動には移せない
「今まで人の動きに合わせてしまっていた」と「どこか人と違いたい」と願っていたのも
いつの間にか 人のそれに合わせられなくなった今となっては 人のそれを恋しく思った
つまらないと感じているのに つまらない人生を歩んでいるとは思えなくて
自分の感じる「つまらない」は 自分の思う「つまらない人生」には まだ程遠いことに気付いた
つい先ほど 人と自分を結ぶものが 途絶えた気がするんだ
何処にも行けない事は解っている もう 誰にも会えない事も知っている
人が行く所には 道や場所 空気・その他 人の必要とするものはあるけど
僕が行かんとする所に人は居ない 人と自分を結ぶものが途絶えたから
もう 何処にも行けないのだ
でも 僕はどうにか人の居ない所に行けた だから 本当に誰にも会えない
僕は一人になりたいと感じてしまったから 一人がつまらないと微かに感じていても
人の居ない所を 僕の居場所にしたい
もし 一人になった今 何かを感じているというのなら つまらない人生を歩んでいる途中
僕は倒れこんで 「あぁ、一人だ」って 真っ暗闇のように見える世界の果てを目指すだろう
――「何か」。 その何かがすごく解りづらい所為で 又はお陰か
世界の果てを目指すため 真っ白の世界に行くため 僕は歩きだせた
何を思ったか 何を感じたか 何故か 行動に移せたのだ
真っ暗闇でも 真っ白でも 「その世界の何処かで誰かと会ったらどうしよう」と考えて
ふと 足を止めた 自分の感じるまま 果てへと歩いていたのに 考えてしまった
僕の目に映ったのは黒い光で ふと足を止めた地面は 僕を人の居る場所へとやろうとするんだ
何も感じなくなってしまったのに 何かを感じている その気持ちがそうさせている事に気付いた
そしたら 僕を包み込んでいた黒い光が 真っ白となった世界の地面に飲み込まれていき――
あぁ 人の居る場所へと行ってしまったのかもしれない
「光は白さを取り戻せただろうか」
黒い光は きっと耐えられず それは 人の居ない世界なんて考えた事がなかった所為で
いや お陰で 黒い光は 寂しさを知らずに済んだ
もし 一人になった今 何かを感じているというのなら 寂しいと微かに感じているのかもしれない
ふと この世界の何処かには 寂しさしか見つけられない気がした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます