トラック4 花火大会

【SE: 遠くで賑やかな祭りの音】

(少し緊張した様子で、正面・中)

「やばいやばい……待ち合わせ時間まであと15分……。

着付けにちょっと時間がかかっちゃったけど、

大丈夫だよね。間に合うよね。

って、ちょっと早いくらいかも。

ふふふ。なんかドキドキする……」


「みんな浴衣姿で素敵だな……。

私の浴衣、似合ってるかな……。


(小声で、正面・中)

「ちょっと襟元直して……帯も……よし、大丈夫かな。

あ!あそこに見えるのは……」


【SE: 駆け寄る足音】

(嬉しそうに、正面・中)

「やっぱり!待たせちゃってごめん……えっと……、

あ、待ってない?そうだよね、まだ時間前だよね?

遅れちゃいけないから?

そっか、ありがと。

なんか、こうやって待ち合わせするのも、なんか嬉しいね」


(照れながら、左・中)

「え?……ほんと?

浴衣、似合ってるかな?

褒めてくれてありがと。よかった。嬉しい。

え、ああ……かっこいい……よ。

うん、すごく似合ってる。

ほんとに、すごく……かっこいい……かも。ふふふ。

じゃあちょっと早いけど行こうか。

それにしてもすごい人だね。」


【SE: 遠くで一発の花火の音】

(驚いて、左・中)

「あ!今の音、花火?まだ始まらないよね?

そっか、これは合図の花火か!本番はもっと後なんだね。

今日はやるってことなんだ。

うわーよかった。楽しみ!

うんそうだね。花火までの間に屋台巡ろう!

ほんと、すごい人だね」


(少し恥ずかしそうに、左・近)

「あのさ……人混みだし、はぐれないように……その……手、繋いでもいい?

うん、ありがとう……なんだか、キャンプの時を思い出すね。

すっごい、怖がってたからって?

もうそんなことなかったってば!

ふふふ。でもなんか安心するね」


(楽しそうに、左・近)

「よーし!じゃあ行こう!今日は思いっきり楽しもうね!

わぁ、屋台がいっぱい!見て見て、たこ焼き屋さん!あれ、絶対美味しいよ!」


【SE: たこ焼きが焼かれる音、ジュウジュウという音】

(興奮気味に、左・近)

「ねえ、あのたこ焼き、熱々で香ばしい匂いがする!食べたい!

それと、あのかき氷屋さんもいいな!


【SE: 氷を削る音】

(少し迷いながら、左・近)

「うわーシロップかけ放題だって……、

うーん、どれにしようかな……やっぱり、練乳いちごかな?

え?全部かけて虹みたいに、レインボーかき氷?

味わかんなくなっちゃうじゃん。

味は全部おんなじ?

え?そんなことないよ!

全然違うじゃん。

色だけ違うの?

本当かなあ……。

じゃあ味比べてみようよ。

私はいちごね。

うん、そうだね、じゃあ私たこ焼き買ってくる!

うん、そこで待ってて。

じゃあ行ってくるね!」


【SE: 歩く足音、屋台の呼び込み声】

(正面・中)

「うわー結構並んでたなあ。やっと順番だよ。

えーと、たこ焼き1人前で……あ、マヨはたっぷりでお願いします!

ふふふ。買えてよかった。

うわーー美味しそう。ありがとうございます!」


【SE: ビニール袋の音】

(正面・中)

「向こうも結構並んでたからな、もう買えてるかな?

え?あの、すみません……私に話しかけてるんですか?


(少し緊張した声で、正面・中)

「いえ、そういうつもりじゃ……あの、私、一緒に来てる人がいるので……、

え、えっと……本当にすみません。でも、私は……そんなんじゃなくて……。

【SE: 急ぐ足音が近づいてくる】

「あっ!」


(びっくりして、右・近)

「え?彼女?

あっ……そうなんです、彼氏と来てるんで、はい……だから……いこっ!」


(安堵の声で、右・近)

「うん、大丈夫だよ……。はぁ……ありがとう。

ちょっと怖かった……。

ううん、謝らないで、たまたまタイミングが悪かっただけだから。

すぐ駆けつけてくれて……なんだか、カッコよかったよ……。

私のこと、彼女って言ってくれて……ちょっとびっくりしたけど」


(少し恥ずかしそうに、右・近)

「あ、いや、その……なんていうか……嬉しかった。

助けてくれてありがとね」


【SE: 遠くで花火の音】

(驚いた様子で、右・中)

「あ!今の音……花火?あ、もうこんな時間だ。花火始まったみたいだね。

じゃあいつもの場所に行こうか」


【SE: 遠くで花火の音開始】

(嬉しそうに、右・近)

「ねえ、やっぱりここは空いてるね。広い公園だから、人も結構少なめだし。

あそこのベンチに座ろう。

かき氷も溶けちゃうもんね」


(少し照れながら、右・中)

「あのさ……さっきはありがとう。私のこと、守ってくれて……ほんと嬉しかった。

ほら、かき氷食べよう。


あ、ブルーハワイにしたんだ?

食べ比べしよって言ったもんね。

あ、食べていいの?

じゃあブルーハワイからいただきます。

こっちのいちごも食べていいよ」


【SE: 氷を掬って食べる音】

(右・中)

「うーん、冷たくて美味しい。

やっぱりハワイの味がするね。

ハワイの味って何って……えっと……。

ハワイの味はハワイの味だよ。

なんか爽やかなの!

じゃあいちご食べるからね。

あー美味しい。やっぱりいちごの味するじゃん。

えーもう一回食べてもいい?

んー、んー?

ちょっと両方とも食べてもいい?

違うような……違わないような……。

え?そうだね。美味しかったらいいよね。

ふふふ。氷美味しいね。

花火もすっごい綺麗。

かき氷の色みたいに光ってる」


【SE: 袋からたこ焼きを取り出す音】

(右・中)

「ほら、こっちも食べよ。たこ焼きちょっと冷めちゃったかな?

いただきまーす。

あっつ……ハフハフ……フーフー……おいひいけど……、

一口で食べたら……あふはっは……。

んっぐ……ふう……。

そんながっついてないってば、そんなにいうなら、ほら食べてみてよ」


(相手も熱そうにしているのをみて、右・中)

「あははは、ほらー熱いじゃん。

火傷するから、かき氷食べて食べて、ふふふふ」

わー花火やっぱり綺麗だね。

たこ焼きみたいにまんまるだよ。

え?食べ物に喩えすぎ?

そんなことないってば。

綺麗だし、美味しいし、最高なんだよ。ふふふ。



【SE: 花火の音、ドーンという音】

(感動した声で、右・近)

「うわーみて、めっちゃおっきくて綺麗。

何?ボン?ボンが綺麗?何それ?

丸いのが綺麗なのがボンなの?

なんでそんなこと知ってるのよ。ふふふ。

でも確かにまんまるですっごいでっかいね。

一緒に見られて本当に良かった!」


(少し照れくさそうに、正面・近)

「ねえ、これからもこうやって一緒に花火を見たり、

色んなことを楽しんでいけたらいいね」


(小さな声で、右・近)

「もっともっとたくさんの思い出を作りたいな……あなたと一緒に」


【SE: 花火が一発大きく上がる音、周囲の歓声】

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