蓮は図書館での九条さんとのやり取りを思い返しながら、自分の部屋に戻っていた。ベッドに倒れ込んだ蓮は、天井を見つめながらため息をつく。

「なんで、あんなに話が続かないんだろう…」蓮は自問自答する。九条さんと話したときの気まずい沈黙が頭の中で何度も再生され、胸が苦しくなる。

蓮はこれまでの恋愛経験を振り返ってみた。とはいえ、恋愛経験と呼べるものがほとんどないことに気づいて、思わず自嘲気味に笑ってしまう。「そもそも、恋愛経験なんて言えるものがあるわけじゃないか…」

これまで何度か女の子と話すチャンスはあったが、そのたびに蓮はうまく立ち回れなかった。見た目には恵まれていると自覚しているが、内面的には不器用で、会話が続かないことが多かった。

「結局、顔が良くても中身が伴わないとダメなんだよな…」蓮は自虐的に笑いながら、過去の自分を責める。「何度もこんなことを繰り返してるなんて、ホントに情けない…」

九条さんとのやり取りでも、自分のダメな部分が顕著に表れていた。蓮は話しかける勇気を振り絞ったものの、結局会話を続けられず、彼女との距離を縮めることができなかった。

「もっと積極的になれればいいんだけど…」蓮はため息をつきながら、どうすれば九条さんとの距離を縮められるのかを考える。しかし、答えはすぐには見つからなかった。

それでも、九条さんに対する気持ちは確かだった。彼女にもっと近づきたい、もっと知りたいという思いが蓮の胸に渦巻いていた。「このままじゃダメだ。次こそは、ちゃんと話を続けられるようにしないと…」

蓮は決意を新たにしながらも、自分の恋愛下手を少し自虐的に振り返る。その反省が、次のステップへの一歩となることを彼はまだ知らなかった。

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