第10話
引き続き、浦賀さん家の裁縫室内にて。
「こ、こんな感じで如何でしょうか…?」
渡されたスケッチブックを受け取り、意外と綺麗に書かれた完成品のイメージがし易いラフ案を見る。どれも私の適当な文章を下にしているのか?と疑いたくなるよな、ハイレベルにブラッシュアップされた秀逸なデザイン。
各自、複数案が提示されたがどれもエロくて素晴らしい…うん。
「これ全部作ってください」
「えっ全部⁉」
「時間が掛かっても構いません。全部です」
そう聞いて嬉しそうだが、なにやら難しい表情をしている浦賀さんを見て、
『ああ、先に渡すものがあった』
かと思い至り、アイテムボックスからブツを取り出す。
現ナマどんっ
「代金はこれで」
「え…これ本物…?」
浦賀さんは真希の手から渡された100万円の束を目にし、顔色を変えた。驚愕で目を見開きながら手元のお金を何度も見つめ、次に真希の顔を見る。
「こ、こんなに多くは頂けません!てか多すぎですよ⁉なんで子供の貴女がこんな大金を持ってるんですか‼」
「まぁ成り行きで」
汚職政治家から簒奪した何て言えないし、言ったところで冗談と捉えられるだろう。若しくは、お金持ちの子供かなとでも勝手に誤解するかもね。
まぁそれは兎も角、私は
私の為に働いてくれるんだから、当たり前だよね()
でもこのままじゃ受け取ってもらえなさそうだな…うん。
「では、制作報酬とは別に、余ったお金で私に着せたい下着を好き勝手に作ってください。ドエロい下着でも何でもござれ。ネットに流さないなら撮影しても良いですよ」
と、軽く肩をすくめながら提案する。折衷案だ。
「えっいいの⁉いっぱい作っちゃうよ⁉」
浦賀さんの目が一瞬で輝きを増し、創作意欲に火がついた。
この
自由に作られた玉ブラがどんな物か、楽しみだ。
「足りなくなったら連絡ください…って、聞こえてないか」
女性がするべきではないキモい笑みを浮かべながら、浮かんだデザインのアイディアが次々とスケッチブックに刻みこむ浦賀であった。
「それでは、一着で良いので完成したら連絡ください」
「はい!私、真希さんに最高のものを作りますから、楽しみにしててくださいね‼」
と意気込んでいる。まぁ熱心なのは良いことだ。
真希は、そんな浦賀さんの姿を見て満足げに頷き、
*****
次の日。
今日は日曜日なので、家族揃ってのんびりしている。
喫緊の問題である澪ちゃんイベントは、来週の日曜日。つまり丁度1週間後だ。なので、それまでは暇な時間を過ごす事となる。
なるのだが、やりたい事はある。
DungeonStream Japanの探索者用登録申請。此れやんないと私は配信できないから、ダンジョン潜れません。
…まぁ転移で誰もいない階層に飛ぶ事はできる。だけどモンスターを倒して得たドロップや戦利品なんかを換金することは出来ない、探索者としての評価に反映
あ、でもドロップ品を非合法で売買してるシンジケートはあるみたい。だけどこっちで売る必要はない。現状、お金には困ってないので。
そもそも私が探索者やる理由って澪ちゃんと一緒に潜りたいからだし。
閑話休題。
ただこの申請を行うには、探索者証明書と特例認定記載済み探索者カードの、それぞれに割り振られた個人識別番号の登録が必須。
という事で、今から出来る事を済ませよう。
「ぱぱ。まま。
日本最大規模の証券会社の一つである燕楽証券は、真希が前前世で利用していた証券会社である。
「え?ああ、分かったよ」
「私はどうすれば良いの?」
今世両親は株とかFXが怖くてやらないタイプの人間で、銀行口座に預金一択。各証券会社の講座を持っていない。つまり、取引ができない。
でも、
今回開設するのは総合口座とFX口座。
スマホでの
「ログインできたら、あのお金振り込んでね?」
「真希ちゃんの進学費とか諸々の事ね、わかったわ」
まだ私が高校大学に進学してないから、その分資本金には余裕があるので、それを全額入れて、全額投資に回す。
その額、だいたい300万ほど。
普通なら
つまり、未来の株価を視る事ができるチートがあるのです。これを利用すればなななんと!利益が100%保証された安全安心究極の魔法的インサイダー取引が実現できるんです。
むむっ‼
移動平均線?ボリジャーバンド?MACD?
んなもん必要ないんです!
未来視で上がる株を見つけたら、安く買って高く売る。この基本動作さえできれば問題ないんです!こんな事、やっても良いんでしょうか?
もちろん、良いんです!
これで法的に綺麗なお金が舞い込んで来るって云う寸法ですよ。
まぁバレないので。
というか、サッサと金稼ぎたいならバイナリーオプション一択。有名なハイロオーストリアとかね。でもあれ稼ぎ過ぎたら口座凍結だから、100%的中且つ長期的な荒稼ぎには向かない。
何より海外証券のだから、税金が国内証券よりも多く掛かるデメリットがある。
どうしても早く稼ぎたいって人ならまぁ、利用しても良いんじゃないかな?程度の存在だ。
あ、因みに両親が口座を作ってくれたので、私も未成年用の口座を作ってもらう予定です。
*****
「それじゃぁ遊びにいってきま~す」
「いってらっしゃい。気をつけてね」
「はーい」
家を出て、転移で向かうは東京。
ほら、
それともう一つ。
目黒区には3年前に、世界中に生えたダンジョンの一つが存在する。
これを【
単純に日本に3番目に生えたダンジョンって事で、日本政府は管理しやすいように番号を振ったけど、国民には専ら目黒ダンジョンと言う名称で定着しているらしい。
第003ダンジョン…個人的にはかっこいいと思うんだけどなぁ。
それは兎も角。
ダンジョンの周辺は危険区域に指定されていて、万が一モンスターが地上に溢れてはならないことから、防衛省とダンジョン管理省が共同でダンジョンを囲うように要塞を建設。
地上に溢れたら砲弾と機銃の弾幕が。上空に飛び出したら対空砲とミサイルが。魔法やスキルによる攻撃は、ステータスを持つ自衛隊員と強制的に動員される探索者が魔法障壁等で防ぎつつ反撃を加え、市街に解き放たれるをの防ぐ。
これがモンスターの襲撃に万全を期す構えである。
尚、要塞建造の予算についてキャンキャン食いついた左派政党や軍拡と主張する親中派が大反発。アレ系市民団体も立て続けに声明を発表し、国会議事堂を
が。
親中愛しの
此れにより、内部で減ることなく増え続けたモンスター達が、一斉に地上を目指す。
商業・工業・金融・貿易・交通などの中心地であることから、こんな場所に邪魔アル‼…と言ったか定かではないが、封鎖により”スタンピード”が発生。
上海市のど真ん中で。
最終的に鎮圧されたとは言え、商業・工業・金融・貿易・交通の中心地は瓦礫の山と化した。経済的なダメージは計りしれず、元が大暴落。
尚、移民は発生しなかった。
モンスターに食われたのと、広範囲に散らばったせいで駆除が思うようにいかなかったから国民諸共核で殲滅した。流石、中華様である。
犠牲者は2000万人近くに登るとのこと。
そして、世界各国から核使用に付いて
とまぁそれだけの大災害を目の当たりにした日本国民はと言うと、今すぐ要塞を作れ‼と賛成デモが100000人規模で発生。
結果。
日本では、出現した全79のダンジョンが要塞に囲まれる事となった。
尚、左派や親中派、市民団体は核使用以降反対を
らしい。
…前置きが長い。
まぁそんな要塞に囲まれたダンジョン周辺は一般人の疎開が進み、【ダンジョン街】という名称で探索者の街が形成された。
ここではダンジョンから齎されたアイテムや素材で溢れており、武器や装備など探索者に必要な物は何でも揃うと言われている。
今の装備がどんな基準なのか。それを調べるために立ち寄ってみようと思っています。
その後にパジャマとかだね。
—————————
k2(けにー)です。
♡と☆、感想をもらえると喜びます。
(感想は読みますが基本返信しません)
宜しくお願いします。
—————————
異世界より返り咲くはTS転生したと思っていた男の娘による自由奔放生活物語 K2(けにー) @akixyu-to
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界より返り咲くはTS転生したと思っていた男の娘による自由奔放生活物語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます