第5話
自分のスマホを入手したので、ノートパソコンをシャットダウン。移行したTemitterを開いても、まだ玉ブラ女性からのコンタクトはない。
「次はお金問題を解決しよう」
金欠なのでね。
そうだなぁ〜合法的に大金を回収しようかな!
まずは広域探知で、後ろめたい事に手を染めている政治家や経営者を見つけ、そいつらが秘密裏に保有する紙幣の裏金を探知し、転送回収。
足がつかないよう日本中の紙幣保有者からランダムで回収資金と
うはっ、たったこれだけで億万長者の仲間入りだ!ちょろいもんだぜw
余談。
後日、とある政治家が家にある秘密金庫を確認したところ、数億の札束が綺麗さっぱり無くなっている事に茫然自失。裏金だったので警察を頼る事もできず、泣く泣く泣き寝入りした。
その様子を楽しんで見ていた真希は、
閑話休題。
ただ銀行に突っ込むには多すぎる額であるため、一体どこから沸いたのか?と税務署に不審がられてしまう心配がある。なのでこの金は秘密資金としてアイテムボックスで眠っててもらう。
必要になったら現生をドンっとテーブルに叩きつけるんです。
法に触れない綺麗なお金は明日から本格的に稼ごうと思いますよ。
「真希〜お風呂だよ〜」
「は〜い」
ちょうど良いタイミングで呼ばれたので、入りますか。
今日かった量産系の服を脱いではハンガーに掛け、浄化魔法を発動。ぱぁっと淡い光に包まれるとコレだけで除菌消臭老廃物・汚れ洗浄が済む。
楽で良いね。
あ、
「あぁ…いい匂いだぁ……」
自分の体臭が好きすぎる。
ちなみに、この浄化魔法を自分自身に使うと、お風呂で洗うよりも全身くまなく綺麗にしてくれます。お風呂に入りたくない!って人には垂涎の魔法だね。私は入りたい派なので、出たら浄化を使うタイプです。
ボクサーを洗濯機に突っ込んでいざ入浴。自分の体に興奮しながら湯に浸かり、スマホを弄りつつのんびりとした時間を過ごす………
「へぇ…ここ日本ではYourTubeuって人気じゃ無いんだ」
正確には人気ではあるのだが、YourTubeuを凌ぐ人気配信サイトが存在すると言えば良いか。
この世界にダンジョンができて3年余りが経過し、人々がダンジョンに慣れ始めた頃。ダンジョンを探索する者———探索者———へと転身した動画配信者によってあるジャンルが開拓される。
ダンジョン攻略配信だ。
GunProカメラを装着した配信者兼業探索者が、剣やスキルでモンスターを屠る、血肉踊る命懸けの近接戦闘を視聴者に魅せる。
これが大いにバズった。
世界中の人々から関心が集まり、一つのジャンルとして成り立とう…としているところで、ある問題からYourTubeuが斜陽を見ることとなる。
問題。それは…コンプラが厳しすぎた事が原因だった。
モンスターとの戦闘を配信するということはそれ即ち、血や臓腑が飛び散り、命が亡くなるその瞬間を世間に晒すということ。
しかも、無理してたり、運がない者は視聴者が見守る中モンスターに残虐に殺されたりする。
世界中の人々から注目させるということは、この配信を好意的に見る人もいれば、否定的な人も出てくる。なにより未成年の利用者が数多く存在するのを問題視した結果…
YourTubeuはダンジョン攻略配信を全面禁止にした。
らしい。
しかし、あることに目を付けた組織によって、日本で攻略配信が再び日の目を見る事になる。
ある組織…それは、意外にも日本の政府機関。警察庁だった。
警察庁は、制限は有るもののダンジョンが一般人に解放された事により増加した、ダンジョン内部での犯罪行為に頭を悩ませていた。探索者同士の諍いにより発生した殺人なども、ダンジョン内部では捜査ができず、仮に犯人と思き人物を特定しても「モンスターに殺されただけだろ」と言われれば立証できないからである。
※当時は嘘を判断できるスキルや魔道具を保有する警察官がいなかった。
では一体、どうすればダンジョン内部の犯罪を減らせるか。
上層部が頭を悩ませていた頃、若い警察官から提案が登ってきた。
【———ダンジョン内では必ず生配信させれば良いのでは?———】
探索者にはダンジョンに潜る際、必ず攻略風景を生配信させる事でリアルタイムの出来事を此方が把握できる。視聴者とAIが証人になれる。アーカイブデータとして残せれば映像音声共に証拠にできる。
素晴らしいアイデアだ!として、直ぐに提案事項を纏め内閣府に提出。
ダンジョンは資源の宝庫であり、攻略への国民の理解を底上げしたいと考えていた内閣府も、渡りに船とばかり承認。提案に基づき法整備等を行い、警察庁は公式に
【
通称:
という動画配信サイトを立ち上げた。
サイト運営は警察庁…ではなく。
ダンジョン関連の問題が国家運営に深く関わり、社会的に重大で広範な影響を持つため、新たな省庁が設立される。
それが【ダンジョン管理省】である。
監視や逮捕権等は引き続き警察庁が管轄するが、動画配信サイトDsjの運営はダンジョン管理省へと移行された。
そして新たに施行された【ダンジョン管理及び探索者法】に基づき、探索者がダンジョン内での活動をリアルタイムで配信することを義務づけるもので、ダンジョン内の犯罪行為を取り締まるためのAIによる監視システムや、一般視聴者が通報できる機能が搭載されている。
視聴者の過度なコメントもAIにより監視されるため、誹謗中傷であると判断されると探索者には届かずミュートされ、視聴用登録者情報に記載された住所の元に警察官が「やぁ君、ちょっといいかな?」する事になるので注意が必要。
仮にコメントは消してもデータとしてダンジョン管理省及び警察庁が確保してるので言い訳はできません。
迅速に対応される事から探索者のメンタルの安寧にも繋がっている。
しかし、
ダンジョン内でのプライバシーに関する問題。
政府による過度な監視に対する抵抗感問題。
配信中の探索者に対する視聴者の過度な期待による圧力問題。
視聴者の期待に応えるために無謀な行動を取る探索者の増加に伴う安全性の低下問題。
など、諸々の問題や課題が残っているが、数多くの探索者から支持された。
迷惑を一番被っているのは、ダンジョン内で活動する善良な探索者だからだ。
とまぁその様な理由で始まった【DungeonStream Japan】…ディジェイだっがが、これが日本で大ヒット。今ではディジェイを知らない人はいないと言われるくらいの知名度を誇っているらしい。
ヒットの理由も勿論ある。
日本政府公式の動画サイトとは思えないほど
更に血などのグロ描写も、AIが自動でゲーム風エフェクトを掛ける機能を標準搭載(コミカル表現設定でoffにできる)していることから苦手な人でも、子供でもエンターテインメントとして閲覧可能。
未成年視聴者向けに、もし攻略中に探索者が死した場合には、まるでサーバーが落ちたかの様に動画ロード画面が延々と表示されるよう強制的に切り替わる。
そして投げ銭…課金する事で投げれる特別なコメント
【
も投げられる。
尚、”お手紙”の手数料は、企業的な視点で利益を求めないため
探索者優遇措置が取られている為、所得税が掛からず確定申告が不要なところも嬉しいポイント。
因みに手数料による財源確保の為、利用上限金額が設けられていないところがヤバすぎる。
必ずしもダンジョン攻略配信だけをしなければならない…という制限もない為、雑談したり許可が取れていればゲーム配信や歌枠などもできてしまう万能っぷり。探索者とは別区分で
安全性や犯罪に対する迅速な行動は、運営が日本政府機関であるため某YourTubeuを完全に凌駕。
配信者の殆どが日本人というのも、見やすいポイントである。
その結果、日本政府版YourTubeuとして、その地位を確固たるものとした。
らしい。
「ふ〜ん、見てみようかな」
早速、アプリをダウンロードし情報登録を済ませ、閲覧する。
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k2(けにー)です。
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(感想は読みますが基本返信しません)
宜しくお願いします。
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