第4話

食後。


「あ。ぱぱって確か、使ってないノートパソコン持ってたよね。か〜して」

「ああいいよ………はい、これ。充電器繋げば多分使えるよ」

「ありがと!」


Windoorsのノートパソコンを受け取り、早速自室の机で起動する。パスワードは無い。新しいパソコンに移行した時に初期化した様だ。


初期設定を手早く終え、Wi-Fiを繋げてインターネットに接続。


「【玉ブラ】っと…」


セーフサーチOFFなのでR-18も余裕で閲覧できます(実年齢は9歳だが、もう一つの日本で22歳まで、異世界で186歳まで過ごしたので、精神年齢は実質218歳である)


「ん〜やっぱり普通のランジェリーショップでは売ってないか」


まぁそうよね。女性がターゲット層のお店だし。


検索がヒットするのはアダルトグッズのコスチュームばかり。おまけに、男の娘が少なく且つ分野がニッチ過ぎるせいで商品が絶望的に少ない。


ただ種類は把握できた。


玉も竿も全てホールドする、全部タイプ。

玉だけホールドする、一部タイプ。

一部だけ隠してまったく隠れてない両方丸出しの、過激タイプ。


の3種類があるらしい。(確認できた限りでは)


「普段使いするなら全部タイプ一択だね」


一部タイプや過激タイプは、普通に生活するだけで色々びろんびろんして鬱陶しそう。何かしらの拍子に興奮してバベル化したら、カバーが無いからスカート内部で擦れて刺激受けて出ちゃいそうで危険。


うん、やっぱり全部タイプだね。


ただ残念な事実が一つ。発見した玉ブラは、当たり前だが着る対象が成人男性を想定しているアダルト品なので、体格的に私に合わないサイズ感となっている。


要は色々デカいんです。


これはもうオーダーメイドで頼むしかなさそうだ。


次は作ってくれる人を探そう。


「【玉ブラ オーダーメイド】…ノーヒット。まぁそうよね」


予想はしてたけど出なかった。なら、別方向から攻めてみよう。今度はネットを頼らない魔法的な方法で試す。


「『選定【男の娘好きな変態・男の娘用下着製作経験者・女性限定】実行』」


検索の結果、脳内マップにピンがスタタタっと刺さる。関東圏が多い印象だが流石日本人(クソデカ主語)変態ばかりだぜ…かく言う私も含めてね。とりあえず近場の人から時空間魔法で魔法的覗き行為をさせてもらう。


う〜ん。この人は制作経験はあるけど数点。この人はデザインが私好みでは無い。この人は一点だけで挫折。この人は、この人は、この人は、この人は———この人は…おぉ‼︎


数人、数十人見て漸く見つけた。


人物鑑定の結果だが、


下着工場勤務の現役。

実際の製造とデザインの両方に携わる人材。

おまけに工場で出た廃棄される素材を貰っては、自宅で自身の下着を自作したり、趣味の男の娘用の常用&エロ下着の製作を手がける。

将来の夢は、手がけた下着を実際に男の娘に着てもらう事。ただ、自分から勇気を出して「着てください」とSNSでコンタクトできず及び腰になる…マネキンに着せて妄想だけでナニを致す悶々とした日々を過ごしている内気なむっつりさん。


その名も浦賀梢うらが こずえ


大変素晴らしい。


まさに逸材と言っていい人物。彼女こそ私の求める人材です。この人に早速コンタクトを取ろう。


どうやらTemitterテミッターのアカウントお持ちの様なので(運用は殆どされていない。最新のテミートは1年前で止まっている)、DMを認める。


こんな感じでいいかな?


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『初めまして、makiと申します。最近、男の娘を始めたのですが、下着がなくて困っています。私の下着…玉ブラを作っていただけませんか?』

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「画像も添付して送信っと♪」


因みに画像は、昼間に買った量産衣装に手で目を隠してスカートを捲ったよくあるエロ写真の様なものです。尚、赤い派手なボクサーパンツである。


画像加工でテキスト「この下着をどうにかしたい‼︎」と記入している。


※写真は、ノートパソコン内蔵のカメラを用いました。


送信したがすぐには既読は付かない。まぁ暫く利用した様子無いし、早めに寝るタイプの人かもしれない。待ちましょう。明日になっても無反応なら、洗脳して利用させてもらいまます(ゲス顔)


さて。玉ブラの件は一旦終わりです。


「次はスマホ〜」


今のスマホってどんなもんじゃ?って事で早速検索。やはり独自規格で突き進む世界のGrapeグレープと、カスタム性に優れたAutomataオートマタの2種が主流。前々世で愛用してたのはAutomataなので、今世でもこっちを使いたいところ。


Automata OSの高性能スマホを探す…ふむふむ。今はこれなのね。


日本製だと…Zpedia Z-01。我らが日本のセニーが手がけるハイエンドモデルのスマートフォン。お値段約8万円。


安い!(前々世では物価高の影響により余裕で10万どころか20万を超えるものも存在した)


「まぁ今の財産じゃ手も足も出ないのだけど…」


こういう時に魔法って便利だよね。


先の魔法的検索でスマホショップ在庫の該当機種を選択し私の部屋へ転送(流れる様な魔法的窃盗)。ただし開封はせず、箱の上から魔法を発動する。


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錬金術【情報取得】

指定した対象の製造方法から材料、内部情報まで、様々な情報を余す事なく解析し知識情報として奪取できる便利スキル。

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異世界では民生品も兵器も、魔力で動く装置は全て”魔道具”と分類されている。そしてそれらの情報が、錬金術【情報取得】の様に他者に抜き取られない為の措置として数々の魔法妨害を施すという発展を遂げた。


まぁ私にかかれば、ほほいのほいって余裕なんですけどね!


対し地球の科学製品は、まだダンジョンやステータス、スキルが出現して間も無い為に理解が及ばず、魔法的な対策がまだ一切施されていない様子。


錬金術は有っても【情報取得】を取得できるレベルまで成長してないんじゃないかな?


多分ね。後で調べる。


「情報妨害とかないから楽でいいね〜」


これで全てを理解した私は、Zpedia Z-01を元の場所に戻す(流れる様な証拠隠滅)。


さて、これでスマホ製造の目処がたったよって事で、スキル錬金術の奥義…とでも言うのかな?様々な物を同時並行で且つ一括製造できる様になる【自在製造】を発動。


【自在製造】の効果により脳の処理領域を大幅に拡大。必要となる材料が【アイテムボックス】内で様々なパーツを一括錬成且つ組み立て等も同時に行われる。


結果、ものの数秒でZpedia Z-01が製造される。


しかもこのZpedia Z-01は通常のハイエンドモデルでは無い。


各種にファンタジー素材を多用して改造を施している。


電気も使うが基本動力は魔力で動作する。プログラムも改変が加えられ魔道具として最適化。更に処理能力を大幅に強化するため、スマホ内に亜空間を作り出し、そこに魔道スパコンやデータセンターを搭載している。


実質、容量無制限。


SIMカード無しに通話可能。直接世界中のインターネットに秘密裏に接続するため、どこにいても(ダンジョンの中でも)利用可能。ただし、異空間や別低次元を介しての接続のため、相手からの通信は可能でもこの端末の特定はできない。


人造精霊体(魔道版AIの様なもの)も搭載。


見た目は市販品。中身は別物。


これを媒体に世界中の政府機関にハッキングできるし(オフライン環境の極秘施設にも可)、人造精霊体謹製のウィルスをばら撒いたり、金融機関をダウンさせたり、核をポチったりできる。


世界中の設備は電気的な対策強度は高いけど…試運転がてらアメリカ合衆国国防総省ペンタゴンに侵入してみた限り、魔法的な対策はまだまだ研究段階のようだったので、やりたい放題可能だ。


そもそも電子機器と魔道具の融合製品制作に失敗しているらしい。スキルだけじゃない技術も色々関係してるから、無知から始めるのは大変だろうね。


まぁ、時間が経って魔法技術が成熟したとしても、他の方法で突破できるからね…せいぜい足掻くといいよ?(ゲス顔)




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k2(けにー)です。

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