第10話 「思いで小話・タバコ」
僕は、タバコを吸っている人に銘柄をよく聞く。
今日、ソフトボールのオジサンが吸ってた銘柄を聞いた。
「ショートホープ・スペシャルライトだよ」
「へえ…」
みんなタバコを吸う人は好みの
僕は、タバコを吸った事がないので聞いたところで何という事はないのだが、小さい時にタバコの銘柄にまつわる思い出があるからなのか、つい聞きたくなってしまうのだ。
あれは多分、小学校3年生くらいの父母参加の親子レクが小学校体育館で行われた時の事だ。
親子と児童が混合チームをつくり、伝言ゲームをした。
多分、6チームとか作ったんじゃないか。1チーム8人位の構成かと思う。
お題の簡易な文章があって、それを伝言する。耳元でコソコソ囁く、考えたら、可愛らしいゲームだ。
そして最後に伝わった文章がお題に対して、どれだけ正確に伝わるか?を競うゲームだ。
一件、簡単に想うが、子供には難しかったりする。伝言していくうちに少しづつ微妙に変わってしまうのだ。むしろ正解しない方が面白かったりする。
まあ、そういった微笑ましいゲームなのである。
正解・お題はこれだ。
「きつねとたぬきは動物です。たんぽぼとひまわりは植物です。あなたの好きな動物や植物はありますか?」
ワイワイコソコソ回してゆくのだ。
「ハイハイでは最後の人は順番に答えを言ってくださ〜い!」先生の声。
Aチーム回答
「えっと……きつねとたぬきは動物です。たんぽぼとひまわりは植物です。あなたは何が好きですか?…です!」
Bチーム回答
「…きつねとたぬきは動物です。たんぽぼとひまわりは植物です…えっうちらそれで終わりだよ!」
Cチーム回答
「きつねとたぬきは動物です。たんぽぼとひまわりは植物です。あなたの好きなものはありますか?…です」
D・Eチーム回答は省略
Fチーム回答
「きつねとたぬきは動物です。たんぽぼとひまわりは植物です。マイルドセブンは嫌いです…??です」
「ドッ(爆笑)」
「ぜんぜん違うじゃん!!」
「マイルドセブンって何だよ!!」
「知らねえよ!」
体育館が爆笑の渦に包まれるなか、1人のオッサンがニヤニヤしていたのを僕は見逃さなかったのである。
G君のお父さんがわざとふざけて内容を変えて伝言したのだ。
「マイルドセブンは嫌いです」
俺はこの幼少期のこのフレーズがいまだに忘れられない。
真面目にやっている中で、御茶らける大人って何だよって、当時は思ったかもしれないな。忘れた。でも、みんなが笑っていた。そういう力のぬけた大人も必要なのだ。僕は何となく感じていたと思う。
殺伐とした世の中、モンスターペアレントだとか、学校と保護者の関係、先生の労働環境は劣悪過ぎて成り手がいない、まあ学校教育は問題山積よ。
しかしこの時代、多分今よりずっとおおらかで、優しい時代だったのではないか…。
※そして、そうだ。わかっている。こんな小話を書いている間に探偵を進めなければなのだ🥹
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