第4話 逆転サヨナラゲーム 😀


 探偵小説の第1話は神宮球場ではじまる。今日は野球の話だ。


 私は実は、東北楽天イーグルスのファンだ。


 「新潟出身だから、東北応援なの?」よく言われる。


 「NO」だ。


 ここで誰も興味の無いであろう私の野球チーム・ファン変遷をここぞとばかりに入れ込んで行きたい。すっとばしたい方は☆☆☆以降から読んで欲しい。


 実は、小学生の頃は、熱烈な「広島」ファンだった。

 それは、新潟生まれなのに、アンチ巨人の母が何故かカープファンだったからだ。


 僕は、全盛期を過ぎた晩年の高橋慶彦たかはしよしひこのファンだった。(後に我が子に慶彦の慶を取りけいと命名した程だった)

 高橋慶彦に憧れて、野球部でもないのに、中高と左打ちの自主練をして両打ちを体得してしまった程の熱の入れようで、当時、利き腕でない左手に慣れるため左で箸を持っていた。その成果もあり、今ソフトボールでは左打席に入っている。


 その頃のカープは、大野、川口、北別府の3本柱、投手王国の時代だった。


 それから高橋慶彦は、球団のオーナーと喧嘩して、ロッテにトレードに出されると僕は直ぐ様、ロッテファンになる。しかしそれは数年で終る。さらに阪神にトレードされたからだ。阪神にトレードされて又、短期阪神ファンになった。随分振り回されたものだ。

 

 阪神でタレント山田雅人に始球式でデッドボールを受けて骨折したり、散々の阪神在籍を経て高橋慶彦は引退する。

 推しの引退で、脱力し急激に野球熱が冷めるが、引退後のOBを集めたマスターズリーグが始まると福岡ドンタクスをやはり応援した。球場ではネット越しに本人からサインを頂戴した。その時、スーパースター高橋慶彦の人気をまじまじと感じた。高橋慶彦はものすごい勢いで200人位にサインをしていた。

 

 更に、高橋慶彦が選手ではなく、ロッテ2軍監督や1軍ヘッドコーチになった頃、住まいから千葉マリンスタジアムが、ちょうど良い距離にあった事もあって又ロッテファンになる。


 その後、ロッテに深かくハマる。西岡剛にしおかつよしも好きだったが、最終的に鈴木大地すずきだいちしになる。鈴木大地が楽天にFAしたことにより、遂に、現在の楽天ファンになるのだ。


 おさらいである。

 広島→ロッテ→阪神→ロッテ→楽天(現在)全くもって流浪の民だ。


 つまり私は箱推しではなく、個人推しなのだ。昔から何でもそう。


 AKBが好きではなく大島優子が好きみたいな。

 俺はロッテのお菓子が好きなんじゃなくてコアラのマーチが好きなんだよ!そういう話なのである。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 本題に入る。



 9月17日火曜日、楽天対ロッテが行われた。

 野球ファンには常識だが、敗者復活戦とも言えるクライマックスシリーズに進出するには、3位までに入らないといけない。

 その日迄、楽天4位、ロッテ3位だ。一時期は、楽天がロッテを超えるのは戦力的にかなり厳しいと思われるような状況だった。楽天は投手陣が弱い。


 しかし残り試合少ない終盤に来て楽天がなんとなく追い上げてきた。3連勝してロッテとのゲーム差を2に迫る。翌日もロッテ戦を控えており、連勝すれば順位は逆転する。そんな両者を表したとんでもなく白熱・緊迫した試合展開となる。3対3で両者譲らない展開で延長戦に突入したのだ。


 しかし延長に入り直ぐの10回表のロッテの攻撃で均衡は破られた。

 

 抑えエース則本を9回に使った楽天は10回表に渡辺翔太投手をマウンドに送る。


 渡辺翔太は一時期の無双イメージを考えると僕には最近少し自信を失っているように見えていた。

 心配は的中した。高めの球を簡単に藤岡に逆方向に弾き返されリードを許してしまった。もう終わったと思った…。


 10回裏にロッテは国吉をだしてきた。押さえたらロッテの勝ち。

 国吉は、防御率1.22で無失点を続けていた。球速は155キロ出てた。負けたと思った。


 ところがだ。先頭バッター四番・浅村。不振から徐々に調子を上げてきた浅村が、あわやホームランの二塁打を放つと、絶賛売出し中・柳田ばりのフルスイング・安田悠馬が流し打ちでレフト前に力強く抜けていく安打を放って続く。ノーアウト2塁から定石なら安田に引っ張らせて進塁打を打たせるところを自由に打たせのが功を奏した。

 そしてノーアウト1塁3塁から渡邊佳明がセンターへやや浅めの犠牲フライを放つ。同点!!追いついた!


 そして続く鈴木大地。俺の推しだ。

単純な内野ゴロと思いきや、打球は高く弾んで、1塁守備の頭を越えていく。なんというミラクル。

 大地は塁上でガッツポーズをしていた。気持ちで打つヒットとはこのことなのだ。

 その後、村林がセカンドゴロに倒れて万事休すと思いきや、代打・伊藤裕季也いとうゆきやがセンターにやや浅めの安打を放ったのだ。


 浅いから本塁まで還れるか怪しいところ。しかし、2塁ランナーの鈴木大地が激走する。ホームベースにヘッドスライディング!!タッチは間一髪、セーフ、セーフ!!


 逆転サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ〜〜〜!!🎉🎉🎉


 ホームベース上で、大地はうつ伏せで大の字になって両手両足をバタバタさせ喜びを表現していた。

 サヨナラ打を放った伊藤裕季也をチームメイトがやんややんやと取り囲む。

 そんな中、前の回に打たれた渡辺翔太が顔をくしゃくしゃにして半泣きしていた…かわいい子だな。

 そうだよなあ。「大事な試合で打たれてしまった」彼はそんな自責の念で押しつぶされそうになっていたのだろうなあ…。


 感動のサヨナラ劇の瞬間だった。



 因みに鈴木大地は最近よくヘッドスライディングをしているが、彼は自分のウィークポイントをかねてから「足が遅いこと」としている。彼は今シーズン102安打放って打率もパ・リーグ7位だが盗塁はなんとゼロ。だからいつも大地がランナーだとハラハラする。大地が走ってセーフ。それが凄い。そんな見方も面白いのである。


 翌日もロッテに勝った楽天は順位を一時期3位にあげるが、又4位に落ちる。僅差でのクライマックスをかけた順位争いは今も続いている。


 


 うむ。話は終わりだ。で、楽天が勝ったからって特に俺には何の恩恵もない。勝ったから楽天モバイルをタダで配られるとか楽天市場でのお買物券を貰えるとかあるわけもない。

 ま、しかし嬉しい。大地が活躍する。楽天が勝つ。楽天がシーズン最後まで良い試合を見せてくれる。嬉しい。

 ちょっと幸せ✨✨✨

 キラキラキラーン👍

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