原案・引用元・小ネタ集

■ 原 案 元 ■

 作品名:河童(かっぱ)

 作者:芥川龍之介

 初出:『改造』1927年3月号


 『河童』は、1927年3月に雑誌『改造』上に発表された、芥川龍之介の

 短編小説です。著者の晩年の傑作として現在でも高く評価されており、

 河童を物語に登場させ、当時の日本社会や人間社会を痛烈に批判する

 内容となっています。


 この作品を発表した年の7月24日に芥川龍之介は服毒自殺を遂げます。

 命日の7月24日は「河童忌」と呼ばれていますが、それはこの作品に

 由来するものです。



■ 引 用 元 ■

①『袈裟と盛遠』(けさともりとお)

 作者:芥川龍之介

 初出:「中央公論」(1918年)


 ※【0】の芥川の独白シーンの引用

 原典は『源平盛衰記』第十九「文覚発心の事」の翻案小説。

 内容についてはデリケートな部分があるため、気になる場合は掲載されている

 『青空文庫』を参照されたし。



■ 小 ネ タ 集 ■

① 『デンキブラン』(電気ブラン)

 東京都台東区浅草にある神谷バーの創業者、神谷傳兵衛が作った

 ブランデーベースのカクテルです。アルコール度数は40度!!

 電気がめずらしい明治時代、目新しいものというと"電気○○○"などと

 呼ばれており、強いアルコール度数も相まって電気とイメージがタブった

 ことから名づけられました。スーパーでも帰るよ!


 『一人にて酒をのみ居れる憐(あは)れなる となりの男になにを思ふらん』

                    (神谷バァにて) 萩原朔太郎


② 『ミンツチ』

 北海道のアイヌ民族に伝わる水棲の霊的存在。その外見から河童の仲間と

 される事が多いが、成り立ちや能力から、水神に近いとされている。

 「シリシャマイヌ(山側の人間)」または

 「エラシラシケポンヘカチ(瘡蓋まみれの赤子)」とも呼ばれる。

 善悪極端な性格であり、悪いミントゥチは人を溺死させたり、

 熊の仔に化けてわざと捕らえられ、飼われた振りをして家人の隙を

 突き殺害して内臓を食べたりする。

 他方、善良なミントゥチはミントゥチトノ(殿様のミントゥチ)または

 「ピリカミントゥチ(美しいミントゥチ)」と呼ばれ、人に幸をもたらしたり、

 魔除けの宝をくれたりする。善良なミントゥチの中でも特定の地域の守護を

 司る位の高い者は「ミントゥチカムイ(ミントゥチの精霊)」と尊称する事

 がある。

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【声劇台本】探偵・九十九龍之介の怪奇手帖 壱『静謐なれど深淵なる狂気』 家楡アオ @aoienire

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