夢と朝

かじかむ指を

切るような風が吹いている


行き止まる夢を

蹴るように遠く見つめてる


永遠へと向かう白線の内側

黄色い線の内側で

立ち止まってください


君が来ます 僕が行きます

こちらの列車へ 向こうの列車へ

午前0時 反対の方へ着いてしまう


お下がり下さい

お下がり下さい……


人と人とを繋ぐ電線が

白く息をして走る

外の街も白い息を降らしている

僕は蹴り上がってこの景色を眺める


窓に移り込む街を見ていると

光のような一つ一つは消えてしまう


流れゆく光はすべて真横に流れ

真上からは

まだ見たことのない景色が来る


光だ!

滑り込むようにしてトンネルを抜けた

包み込む風はあたたかい


春があたたかく

ここが冬なのを忘れてしまう


僕は顔を洗い

目をはっきりと覚まし一日が始まる

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