海男

沈む

体が海に沈む


包む

肺を水が包む


口の奥へ流れ

喉を通り

胃へと流れ込む


身体の中で

飲み込んだ水が騒ぐ


呼吸が出来る

その水流の哲学で


陸地にあった感情は深く

海の中で燃える花のよう


私はその手の内の炎


完全にあなたを理解出来たら

この広い世界を知り尽くすまで


旅を出来たらいいのに


捧ぐ呼吸を辞めたくない

真夜中と共に

大きな船がやって来るから


私は星空があなたに沈むのか

あなたが星空に昇っていくのか


実のところ分からなくて

宇宙すらこの口に飲み込んで

何度でも沈めると思っていたくて

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