祈りの城

あなたはこの楽園に

完全な土台を建てた


自ら塔に入り

来るもの全てを見渡した


私はそこで土を耕し

種を蒔いては呟いていた


"これは素晴らしいもの

心を満たす本当の食物

未来のために育てよう"


そしてあなたは屋根を建て

柱と荊の柵とを据えた


菜花は外敵に守られ

火が啄む者を散らしている


育てたはずの私の夢は

未だ一人の腹すら満たせず


"この楽園を完成するのは

命に至る食物だけだ

必ず育ててあなたに捧げる


それにしても

この立派な建物はなんだろう……"


その建物は

幻想でない

その建物は

人間にとって完全である、と思う

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