第8話 今日の仕事場

「はあ、疲れた」

僕は、今日の朝の仕事を終えると、そう言って、腕を伸ばす。

隣でジャックが、宙に浮きながら「良いところですねぇ。」という。周りにはジャックはみえていないらしく、声も聞こえない

他の刑事たちが、次々と席を立つ。

しばらくお茶を飲んでいると、女性の刑事がこちらにやってきた。

「天月さん、こんにちは。お久しぶりです。」

増田という刑事だ。この前のカで、暴走して、個人的な用件で、爆破物を解除しようとし、叱責され今にいたる。ただしばらく休職なのかいなかった。

「最近いなかったね。どうしたの?」

彼女はちょっとおちこんだようにいう。

「刑事をやめるか考えてたんです。でもやっぱり警官がいいなとおもって。」

「そっか。僕もかなり考えてる。今の仕事でいいかどうか。」

「そうなんですね。今日は事務作業ですか?」

「そうだね。ヴィランの情報をネットで集めてた。」

「私も同じようなことしてました。この課ってだいたいそんなかんじですよね。」

「そうだね。でも仕方ないよ。これぐらいしか今の僕らにできることないし、仕事あるだけマシだ。」

「そう・・・・ですよね。」

「ねえ、今度お茶しない?仲間さそってさ。本田とかどう?」

僕は向かい側の男をちらみする。

茶色いロングのコートを着た刑事だ。

僕の同僚で、僕が転課した際一緒にきた。

特に問題はおこしてないのだが、僕がある事件で落ち込んだ際、かなり心配して一緒にきてくれた。なんで、ここにいるのか僕にはわからない。捜査一課をめざしていたと思う。問題も起こしてないので他のカの刑事たちと仲が良い。

「良いですね!私も一緒にお茶したいです。」

「本田ー。」

僕がそう言って声をかける。

「なんだ、天月」

「今度の火曜日空いてる?夜にでも増田さんとお茶しない?」

「いいけど、他の連中もさそっていいか?」

すかさず増田さんが答える。

「もちろんです。私も他の女性刑事さそいます。」

「わかった。今度の火曜の夜だな。」

彼はすかさず手帳にしるす。

「じゃあ、また火曜日に。」

彼女はそういって去る。


「ヒューさすが天月くん!女性にやさしいねぇ。」

ジャックがういういとしている。

「そんなことないよ。」

僕はひとりごとのようにつぶやく。


初めはジャックが見えているのではないかと焦ったが、全く皆みえていないので、安心して仕事ができた。ちょっと気をはっていたものの、ジャックも終始ただ周りをみていただけだった。


「さて昼食に出かけるとするか」


僕が一人そうつぶやくと、ジャックが「出発進行」といってくる。


そのまま僕は仕事場をあとにした

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