第10話 象さん
体を突っ伏したまま、頭だけ君の方に向けて睨む。涙目で、まだ顔が真っ赤なまま、ジト目で君の様子を見ていると、僕の目に入ったのは君のズボンを脱いだ姿。え?一瞬、状況が飲み込めなくて頭がフリーズする。
「え?いや、のわちゃんの恥ずかしい秘密知っちゃったわけだし、僕も恥ずかしいとこ見せればおあいこかなって………ニコッ!👍」
平然と笑顔で言いながら、君はグッドサインを出す。そのままの姿勢で、下半身をさらけ出して、しかもそこには象さんの顔が書かれている。アレを鼻に見立てて、ちゃんと吹き出しには『パオーン!』なんて書いてあって…。
「な、なにしてんだよぉ!バカじゃないの!?なにが『パオーン!』だよ!?」
叫びながら、僕は泣きそうな顔で君を見つめる。視線を逸らしたいけど、どうしても見てしまう。その象さんの顔、絶妙に雑なのに、なんかツボを突いてきて、余計に混乱する。
「しかも、なんで鼻の上に口が書いてあるんだよぉ!?普通、象さんって鼻の下に口だろ!?逆じゃん、変だしっ!」
泣き叫びながら、頭の中がパニック。なんでそんなくだらないことしてるの!?って、情緒が完全に崩壊してる僕には、もう笑っていいのか怒っていいのかもわからない。
涙をぽろぽろ流しながら床に突っ伏して、叫んで、暴れ回る。胸の中は羞恥と怒りと混乱でぐちゃぐちゃに渦巻いて、もう何がなんだかわからなくなってる。恥ずかしさに押しつぶされて叫び続ける僕の横で、君のふざけた象さんの顔がただひたすらに虚しく揺れてる。
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