第7話 誤操作
「のわちゃん、ごめん。ほら、もう止めるから。」
机の下でいじけている僕に、君がスマホを見せながら声をかける。画面をじっと見つめて、君の指が操作するのをぼんやり見ていた。だけど、君はスマホをちゃんと見ずに僕に画面を向けたまま操作してたせいで、まさかの誤操作をしてしまう。
次の瞬間、スマホからはアップされていたASMRの中でも特にどエロくて下品なものが、大音量で流れ始めた。
『あぁっ…♡もっと…奥まで…ぃいの、いっちゃうぅぅっ♡♡』
『やっ、だめぇっ…もっとしてぇ…あっ、んんっ♡んほぉっ…♡』
えぐいくらい生々しい吐息や、恥ずかしい音が耳に突き刺さって、僕の心はもう限界。顔は真っ赤、涙が溢れて、声が震えて止まらない。これ以上の恥ずかしさなんてあるの?もう無理!って叫びたい気持ちがいっぱいになって、耐えきれなくなってついに声を張り上げた。
「やめてぇぇぇぇっ!!聞かないでぇっ!!!」
羞恥心に耐えられなくなって、スマホを奪うように手を伸ばして、めちゃくちゃに操作する。叫びながら、手は震えて、どこを触ってるか分からなくて、パニック状態。画面を何度もタップして、音声を消そうと必死になってるのに、手が震えて上手く止められなくて、恥ずかしい自分の声がどんどん部屋中に響いていく。
「あぁもう…っ、やめろぉぉぉっ!!」
何度も叫びながら操作して、やっとの思いで音声を止めることができたけど、羞恥心で胸が張り裂けそう。涙で滲む視界の中で、君の顔を見ることができなくて、ただ必死に自分を守るように身を小さく丸める。もう、こんな恥ずかしい思いしたくなかったのに…。
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