第6話 まん丸のわちゃん

「でも、このASMR、すっごくシコれるんだけど…」


「だから流すなぁ~っ!」


君が別のASMRを再生するのを見て、僕は慌てて叩きながらスマホを奪おうとする。でも、君の手は高くて、僕の背じゃ届かない…。悔しくて涙目になりながら、何度も何度も手を伸ばすけど、どうしても君のスマホには届かない。


スマホから流れてくる音声は、僕のえっちな囁き声。

『んふぅ…もっと、こっち…♡あ、そんな、そこも触らないでぇ…んんっ♡』

優しく耳元で囁きながら、甘く蕩けるような声が響いて、恥ずかしくて耐えられない。

こんなの聞かれるのは本当に嫌だ…!でも、どうしようもないって気持ちが余計に悔しくて、胸の中がぐちゃぐちゃにかき混ぜられるような感じ。


結局、君の手が高すぎて、スマホを奪い取れなくて、いじけた僕は机の下に潜り込む。膝を抱えて、小さく丸くなって、自分の声が聞こえないに耳を塞ぐ。顔が熱くて恥ずかしいし、羞恥心で胸がドキドキして、呼吸も上手くできない。


(こんなの聞かれるの、もう無理…!どうして僕のこんな姿を君に見られちゃうんだろう…!)

縮こまったまま、小さく震える僕を、今は机の陰だけが守ってくれている気がして…。でも、音声は止まらなくて、恥ずかしい自分の声が延々と響き続ける。

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