第6話 まん丸のわちゃん
「でも、このASMR、すっごくシコれるんだけど…」
「だから流すなぁ~っ!」
君が別のASMRを再生するのを見て、僕は慌てて叩きながらスマホを奪おうとする。でも、君の手は高くて、僕の背じゃ届かない…。悔しくて涙目になりながら、何度も何度も手を伸ばすけど、どうしても君のスマホには届かない。
スマホから流れてくる音声は、僕のえっちな囁き声。
『んふぅ…もっと、こっち…♡あ、そんな、そこも触らないでぇ…んんっ♡』
優しく耳元で囁きながら、甘く蕩けるような声が響いて、恥ずかしくて耐えられない。
こんなの聞かれるのは本当に嫌だ…!でも、どうしようもないって気持ちが余計に悔しくて、胸の中がぐちゃぐちゃにかき混ぜられるような感じ。
結局、君の手が高すぎて、スマホを奪い取れなくて、いじけた僕は机の下に潜り込む。膝を抱えて、小さく丸くなって、自分の声が聞こえないに耳を塞ぐ。顔が熱くて恥ずかしいし、羞恥心で胸がドキドキして、呼吸も上手くできない。
(こんなの聞かれるの、もう無理…!どうして僕のこんな姿を君に見られちゃうんだろう…!)
縮こまったまま、小さく震える僕を、今は机の陰だけが守ってくれている気がして…。でも、音声は止まらなくて、恥ずかしい自分の声が延々と響き続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます