第5話 承認欲求
「うぅ~ん…これものわちゃんじゃないのか…。それなら…。」
君が次の音声を流そうとするのを見て、もう耐えられなくなって、思わず声を上げてしまう。
「や、やめてっ!僕、僕だから!見ないでぇっ…聞かないでぇ…っ!」
顔は真っ赤なまま、涙目で君の肩や胸をぽかぽかと叩く。羞恥心で頭が混乱して、体は震えて止まらない。君に触れる手も自分でどうしようもなくて、叩いているのか、しがみついているのかすらもわからない。悔しさと恥ずかしさで、声が震える。
「承認欲求のモンスターなんだよぉ…っ!なんで、なんで僕の裏アカ見つけるのぉ…!?」
言葉がぐちゃぐちゃに溢れ出して、自分でも何を言ってるのか分からなくなってる。どうしてこんなことになったのか、自分の軽率さを責めてももう遅い。承認欲求が膨れ上がって、つい気持ちが暴走してしまったんだ。そんな僕の隠しきれなかった姿を、君に見つけられてしまうなんて…。
頬を涙が伝って、拭おうとするけど、手は震えて全然うまくいかない。視線をどうしても合わせられなくて、ただ叩きながら、体を小さく丸めることしかできない。この恥ずかしさと後悔の気持ちをどうにかしたくて、でもどうにもならなくて、胸の奥が苦しい。
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