第3話 アカバレ

「えぇ~、でもこれってのわちゃんだよね?多分裏アカだと思うけど…。」


スマホの画面が目の前に差し出されると、そこには「わのちゃん」という名前で投稿された逆バニー姿の写真。マスクで口元を隠して、目線は手で覆っているけど、見る人が見たらわかる僕の雰囲気が隠しきれていない。何か言わなきゃと慌てて、つい言葉を出す。


「そ、そんなの僕じゃないし!」


声が上ずって、明らかに動揺してるのが自分でも分かる。心臓がドクンドクンと鳴って、バレたくない気持ちで頭がいっぱい。いや、絶対バレてない、まだ大丈夫って思いながら、顔を背けてなんとか誤魔化そうとするけど、どうにも説得力がないのは自覚してる。


(どうして見つかったんだろ…名前、のわから“わの”に変えただけでバレないと思ってたのに…安直すぎたかも。)


頭の中で後悔が渦巻いて、顔が熱くなるのを感じる。ネットでちょっとだけ遊びたかっただけなのに、まさか見つけられるとは思ってなかった…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る