第16話

「ふははははは! こうなりゃ!」


 俺は最速、最善、最高を目指して、全異能力をスピードへ使った。走り出すと、そのまま、ここから離れた敵の一人の懐へと入っていた。


「速攻でお昼寝しろ!!」


 俺はテロリスト二人組の一人の首筋に手刀を浴びせると、テロリスト二人組の一人は昏倒した。


「Hmm! Are you a person with special abilities? !」

(むっ! 異能力者か?!)


 だが、もう一人が、俺の目の前で、姿を忽然と消した。


「や、やばい! ひょっとして、逃げちゃった? ステージの方へ?」

「いっかーん!! 匡助くん! さっきの奴が仲間連れてくるぞー!!」

「うい! 田中のおっちゃん! その前に俺が集団催眠術者を先に見つけてくるよ!」


 広大なホールは人がごった返しだ。

 なので、テロリスト集団が俺たちを袋叩きにしにくるのは、まだ先のはず。その前に……うん?


 なんか、匂うぞ?

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