第15話

「なんて……人の数だよ」 

「ああ……同感だよ。この人たちは、みんなテロリスト集団の人質なんだ」

「おじさんは、どうやって、ここから出たんだ?」

「ああ……じゃない。ふん! トイレへ行くと言ったんだ」

「……やっぱそうだよな。定番だよな。こういう時の」


 テロリスト集団の二人組が広大なホールを、ぐるりと見回りをしていた。

 肩には、ロケットランチャー?? がある?!


「うい! あの二人組からすると、事が済んだら皆殺ししようとか……」

「ありうるな。まったく……あ! ふん! 人の命をなんだと思っているのか」

「アイドルグループが心配になってきたぞ」

「俺も利弧利戸ちゃんが心配になってきたぞ」


 でも、どうやって……。

 おれとおじさんは、お互い顔を見合わせて俯いた。


 でも、俺のステータス強化の異能の力も戻ってきた。

 休憩すればまた使えるんだ。


 三分だけど、有効に使わないとな。

 

「あ、そうだ!」

「田中のおっちゃん! ちょっと、声がでかすぎです!!」

「いやなあ、英瑠璃えるりちゃんのファンの中に、集団催眠術者がいたんだよ」

「しゅ、集団催眠術者? って、ことは?! ここら辺のテロリスト集団を、なんとかしちゃって」

「全員無事に、避難させられるはずなんだ!!」  


 俺たちがいるホール入り口付近から、広大なここホール内か会場内で、どうにか英瑠璃ちゃんとそのファンたちを探さないといけなくなった。


「You guys... are too suspicious.」

(お前たち……怪し過ぎるぞ)


 けれども、俺と田中のおっちゃんで、作戦を練っていると、いきなり客席から声が上がった。見ると、ロケットランチャーを携えた二人組に気がつかれていた。

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