第7話

 このT.W.A.Fまで、遥々日本から追いかけてきたSTARZM・4のファンたちは、全部で20名。全員SSSランクの異能の力を持っていた。


 ここは、ダンボール箱が幾つもの棚に積まれているだけの殺風景な場所。


「これからどうする?」

「いや、俺に聞かれても……」

「森島 恵美ちゃんを守ってればいいんだよな?」


 広々とした倉庫内で、20名のファンと恵美が隅っこで、震えながら縮こまっていた。


「ああー、違うぞー。成川 英瑠璃ちゃんと、大木 利弧利戸ちゃんも守ってだなあ」

「でも、敵は何? 何が目的なんだろう?」

「そりゃ、大金じゃないのか?」


 恵美が痺れを切らして、立ち上がる。


「きっとー、テロリスト集団なんだから、何か核兵器とか関係してるんでしょ」


「恵美ちゃん。賢い!!」

「最高!」

「可愛い!」


 会場11番倉庫内は、賑やかになっていた。


――― 


「Yeah? I can hear people's voices coming from this warehouse.」

(うん? この倉庫から人の話し声? はしゃぎ声が聞こえるな)


「Is that so?」 

(そうなのか?)


 二人組の会場内を見回りをしていたテロリスト集団が、11番倉庫の前で立ち止まり訝しんだ。


―――


 11番倉庫内


「あ! やばい! みんなテロリスト集団が倉庫の外にいる。こっちに来そうだよ」


 ファンの一人。ひょろ長い男は、通常の人間の数十倍の聴覚だった。外の危険に気が付いて、みんなに知らせた。


「みんな! やっつけてやりましょうよ!」 

「いや、いやー! 恵美ちゃん! 相手が武装してたの見てるんだよ」

「それが何?」

「撃たれると痛いじゃん」

「……」


 ファンのもう一人。その男は短髪で、スポーツタイプのがっしりとした男だった。


「もーう。恵美。涙が出そうよ」

「そんなこと言ったってー」


 強気の恵美のキツい言葉に短髪は、涙ぐんだ。

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