第4話

ーーーー


 雲が遥か下の方に見える。

 やがて、日が沈み。大きな月がガラステーブルに映える。俺と佐江島さんと妹は囲んでテーブルに座っていた。


 窓際に目を移すと、東からの風が強いというのに、グングンと空を前進するその大型船は、超大型飛空船のようだった。窓の外には広大な中庭やベランダガーデンがある。


「でも、助かったわね。地面が顔面で……」

「はあ……」

「普通どっちも助からないよね? あ、でも。その前に普通落ちないよね?」


 妹の言う通りだ。

 だけど、多分ね。俺の異能力のお蔭さ。


 佐江島さんは、大型飛空船から落ちたのだそうだ。

 停泊のために、超低空飛行していたとはいえ、そこから落ちてくるというのは、よっぽどの訳があるに違いない。


 だが……佐江島さん曰く。


「鳥が空を飛んでいたから」

 

 だ、そうだ……。

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