読みたかった!と思う本編の隙間を埋めてくれた感じ

3冊の中で一番好きな本作をここまでおかわりできて、幸せです。

①幕間
ふふ(^^)
これぞ大型犬とご主人という感じのエピソードでとっても微笑ましい。
この後きっと、大事なひと時に「あの時はこうしてくれたくせに……」とか、繰り返し引っ張られるんだろうなとか想像するとニヤニヤします。

②春のふたり
ユースの心境を考察するとキュンとします。
この人は自分のであって、何なら自分もこの人のであることも伝えたいし自分がその魅力を一番引き出して伝えたいとも思ってるのに、いざそうしてみたら効果がありすぎて今度は焦るって……可愛いのはそっちも、ですよ?とツッコミたい。

③英雄の幸福
わ、これ、いい。すごく単純にそう思った。
自分の好みや、それを出されると弱い、という癖みたいなのもあるのかもしれないですが、こういう、何かしらどこかで報われきれてないように見える脇役の本音や弱点、隠れた温かみが垣間見えるエピソードって本当いいな、って。
アキに対して恋愛感情だけは湧いたことがなかったというのは本編を含め考えても決して強がりではなく本心からの本心だと思うのですが、それでも、幼なじみで親友の彼の気持ちに気付いてしまってからここに至るまでの気持ちの揺れは周囲には理解しがたい特殊な苦しみを伴っていたんじゃないかと想像させられるんです。大事にしたいが故の、と言ってしまえば簡単ですが……どうしても自分たちだけで決着つけないといけないことだったからこその悩みや葛藤の連続だったろうなって。
そして今度は自分が気にかけられるって、甘くて苦かった今までのことが本当に調和されたんだな、と読んでるこっちも清々しく満たされた気分に。


やっぱり好きだな、作品も著者の持ち味も、と再認識。
あー……次に新しく発表するのは絶対私が知れる時と場所であってくださいね約束ですよ……と、自分もこの番外編のユースみたいな気分になった読後感です。