様々な事情によって、幾多の愛の架け橋があって。俺の話も聞いてくれ!と思える人は、なんて幸せな人なんでしょう。
まず文体が読みやすくスラスラと入ってきます。それでいて今のラノベとは違ういわゆる純文学の文体です。それからさらに夫婦の女性視点で物事が動くさまをみるのがとても良いです。オチもいままでの文章を踏まえたうえできちんと着地しています。読んで損なしです。
ㅤ太宰治の「葉桜と魔笛」を想起させるような文体の作品です。近代文学を読み込んでないとこの作品は絶対に書くことはできないと感じました。ㅤ作者の語彙力、作品の構成、どれをとってもハイクオリティ。カクヨム甲子園の中間選考という狭き門をくぐり抜けるのも納得の、美しい物語です。ㅤぜひ、皆さんも五十嵐ワールドに飛び込んで、大人の恋愛を体感してみませんか?