第4話 私の秘密は悪の味

ねぇコレ聴いた?最近出た、テクノちゃんの新曲


旦那はそういうのが好みなんスか?


ボン「分かってねぇなぁ〜テクノちゃん以上なんて居るわけねぇだろ〜」


ネズ「へ〜あっしは音楽に興味ありやせんのでよく分かりやせん」


ボン「え!?お前そこからなの?しょうがないこのボン様直々にテクノちゃんの良さを」


女の子の声「もう離してよっ!」


ボン「へ?なんだなんだ!?え……あれって、マジモン才木テクノちゃんじゃーーん!んーー超ラッキー!!わーい☆サイン貰っちゃお〜」


ネズ「ボンの旦那意外とミーハーなんでやんすね……」


家電売り場TV「昨晩朝方誘拐されたという才木テクノさんの事件ついてどう思いますか?」


TVのコメンテーター「なんと言っても、あの有名お騒がせアイドルを誘拐ですからね〜しかも誘拐した相手は例の組織ときたものですからファンやご家族は大変心配いなさってるでしょうね…」


ガサガサゴチャガサゴサ


ネズ「アガガガガ、ボンの旦那サイン色紙準備してる場合じゃないでやんすよ!!」


ボン「え?…………なんだってぇーー!?」


スサクサッ


ネズ「あっぶないでやんすよ…バレるところでやした…」


ボン「アイツらか……」


フスヌゥーーーッ フスーーーーッ


ネズ「ボンの旦那………………?そ、そんなに鼻息荒くしてどうしたでやんすか?まさかで…やんす……よね…」


ボン「アイツらが、よくもテクノちゃんを・・今すぐ絶対助けてやるからな〜!!」


ネズ「旦那ァ!!殺されちまいますよぅぅ!」


まさかの誰よりも先に居場所を見付けたのは、あのおバカコンビ ボンとネズ だった、2人はまず才木テクノが入れられた倉庫の中を偵察する為に覗き穴を探していた


その頃……


マキナ達はワープマシンを使いアルヨー中華街に来ていた。もちろん!メリナの操作で…


マキナ「わ〜、赤ばっかりだなぁ〜…ん?」


くん くん


マキナは、何かに気が付き1人で走って行ってしまった


メリナ「ちょっと勝手にどっかいかない」


メリナは追い掛けるとマキナの服の首根っこをつまみ上げた


メリナ「アンタねぇ…何かと思えばここ中華料理屋じゃない…ってアンタ軽っ!一体体重何kgなの?!」


マキナ「体重?分かんねぇよ、でもお前よりはかる…」


ガシッ


不快な発言を察知したメリナは頭蓋骨に指がめり込むほどの握力を発揮しマキナの顔面を鷲掴みにして持ち上げた…


メリナ「お前よりなぁに?ここで貴方を潰すか潰さないか賭けをするとしましょうかア!」


マキナ「悪かった…助…げて…ぐ…れ⤵」


ゴチンッ☆


メリナは瀕死のマキナを潰さない代わりに、

追い討ちの強烈なゲンコツをお見舞いした

なんとも恐ろしいヤツだ!


メリナ「ふん!今回はこれくらいにしたげる」


マキナはある文字を書き遺し…いや…

書き遺そうとしたが…

マキナは字が書けなかった…


無念!!


無論ッ!! ご利益などは一切無い!!


合掌がっしょう〜〜!!


そんな時…


マキナ「ん!!コレって!!」


倒れていたマキナは突然何も無かった様に

起き上がるとまた勝手に路地裏へと入って

行った……


メリナ「コラ!!アンタまた勝手に…あとそんなとこ、あんまり通りたくないんだけど…」


メリナは服が汚れないように気を付けながらマキナの後を追った


マキナ「この近くか…」


プル「プルリィーー!」


マキナ「おお!そうか、よくやったなプル」


後からメリナがゆっくりと出てきた


メリナ「あれ?プルちゃんじゃない…」


マキナ「メリナお前の手掛かり見るかるかもって予想ドンピシャだったぜ!」


メリナ「え!って事は、手掛かり持ってる人間もう見つかったの?!」


マキナ「それどころじゃねぇ、組織の拠点

自体が見つかっちまったんだ!」


メリナ「ええ!!大ニュースじゃない!!!本当なら警察に通報したいとこだけど…アンタが解決しないと意味無いのよね………で、その拠点はここから近いの?」


マキナが指を指した


マキナ「あの倉庫だ!」


メリナ「えぇ!?あの倉庫ってあんなに目立つ場所なの!?」


本当にこの世界の警察は大丈夫なのだろうかとメリナの中で警察への評価が2下がった


マキナ「じゃあ早速行ってくる!!」


プル「リュルィーーー」


タッタッタッタッ


メリナ「何も準備無しで行くのはアンタでも無謀よ!」


マキナはその倉庫の扉に手を掛けた


そこから少し遡る

10分前の出来事……


ボンとネズは倉庫の中を偵察する為

手頃な穴を探していた……


ボン「いい感じに中覗ける穴ないかなぁ?」


ネズ「ボンの旦那もうやめましょうよ、

見つかったら蜂の巣にされちまいますよ!」


ボン「あ!ここだいぶ錆びてて穴あきそう」


ゴリゴリゴリゴリ


ネズ「それはマズイでやんす!見つかりやすよ!」


その時ボンとネズの後ろに黒い車が止まった


パカ…


トッタット


赤服の男「君たち…何してるのかね……」


ボン&ネズ「あ、激ヤバいかも……アッシもここまででやんす…」


ボンとネズは赤服の男の部下にロープで

縛られ倉庫の中に投げ込まれた


ボン「うわぁぁ!!」


ゴンッ


ネズ「痛いでやんす…」


赤服で恐らくボスだと見られる男が葉巻に

火を付けた


赤服の男「ふぅー〜…何やら外で怪しい

奴らが居たものでね……」


すると奥の部屋から誰かがコーヒーを

飲みながら出てきた


才木テクノ「だから何?そんな事言っても

私は……!」


才木テクノはある事に気が付いてすぐに

顔を隠した


ボン「あれ?今テクノちゃんコーヒー

飲んでなかった?無事って事?」


才木テクノ「最…低、父さん…その人が私の

会員メンバーって知ってて呼んだ訳よね…」


ボン「と…う…さん?ええ!!?」


黒服の男「オラッ!静かにしとけ!」


才木テクノ「やめて!!ファンに手を出さないで…私…アイドル辞めるから…許して…」


ボンはそれを聞いて状況を理解した、

地下アイドルとして必死に努力して

成り上がって皆を笑顔にしてた裏腹に

裏組織の娘としてずっと苦しんでた事に…


テクノの父「おお、まさかあんなに頑固で

全く言う事聞かなかったお前が…これは

偶然いいものを拾ったみたいだな………

ならもう一度聞きたい……………アイドルを辞めるんだよな?」


才木テクノ「アイドルをやめ……」


ボン「やめたらだめだ!!」


テクノの父「なに!?」


ボン「テクノちゃん握手会でも言ってただろ!ここが私の生きる理由になってるって」


才木テクノ「…っ!」


テクノの父「邪魔をするな、キサマ!!」


ボン「いや、何度だって言う!

テクノちゃんアイドルをやめたらダメだ!

もう、君でいるって決めたんだろ!!!」


テクノの父「コ イ ツ!!!」


テクノの父は右ポケットから拳銃を

取り出すとボンに向けて引き金を引いた


才木テクノ「だめぇぇぇぇぇ!!!」


バンッ


瞬間!


バリガリッ


突風が吹いたと共に何かが拳銃の前

に現れその弾丸が飛び出す寸前に、

その銃口ごと握り潰した


才木テクノ「…!?」


テクノの父は自分の手に流れる温かい感触に

気が付いた


テクノの父「うあぁぁァ”ァ”俺の手がぁぁ!」


それを見た仲間の黒服達がすぐに

武器を構える


黒服の男「キサマ!何者だ!?」


マキナ「クククッ、お前らに名乗る気なんかねぇよ…」


テクノの父が手を抑えながら言った


テクノの父「裏組織のボスにこんな事して、

今になって名乗るのが怖くなったのか?」


マキナ「…なぁ……なんか勘違いしてるよ…お前……」


そう言うとマキナはテクノの父の方へ、

歩いて行く


当然、一度痛みを味わっているボスは

部下に頼み始末を命令した


テクノの父「お前ら!!!コイツを撃ち殺せ!!!」


才木テクノ「アレは………」


部下たちが拳銃を放とうとマキナに向けて

撃鉄起こした、


ババンバンババンバンッ


無数の銃声が響いた!


そこには倒れたマキナがいた


テクノの父「ざまぁねぇぜ…」


バタバタバタバタッ


どういう事か、先程撃鉄を起こした部下達が

全員倒れていく


テクノの父「…え……」


マキナ「おじさんこんなのも見抜けないのか情けないな……」


テクノの父「何故いま死ん……無い!?」


テクノの父(先程まであったはずの、死体が消えている…)


マキナ「 ホ ロ グ ラ ム …」


テクノの父「ホログラム?何だそれは…」


マキナ「………じゃあ、お前にとって子供は何だ?」


テクノの父「跡継ぎだ!」


才木テクノ(………)


マキナはテクノの父腕を持つと

1本骨をへし折った


テクノの父「アアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!キサマぁ!!こんな事してただで…」


突然、縛られたままボンが立ち上がると

言った


ボン「ただで、テクノちゃんはただでどれだけの痛みに耐えてたか考えた事あんのか?」


テクノの父「なにを、言っている?」


ボン「確かにTVに出るぐらいのアイドルになって今じゃ売れっ子とか表では言われてるかもしれねぇ…けどよ!それは今でもファンに応える為に無数の痛み乗り越えて続けてるからこそ在るものだろうが!本当に親なら自分の子供が築いてきた証ちゃんと見やがれ」


テクノの父「!…」


マキナ「だってよ…アイツが痛みに耐えながら積み重ねたモノはこんなに人の心に響いて動かしてる……認めてみるのも勇気だぜ…」


テクノの父「木乃実……」


その時、テクノの父親に何か黒いオーラが

湧き出した!


大抵の事は焦らないマキナも無意識に

危機を感じ2回後ろにバックステップした


才木テクノ「一体なにが起きてるの?!」


マキナ「この気配…普通じゃねぇ!!プル!早く他のヤツらにシールド張ってくれ!」


プル「りゅーーー!!!」


才木テクノ「な、何この子!!!」

プル「ルップ!」

才木テクノ「わっ!黄緑色のガラスが出た!っあ…」


プル「プルルルルィーー!!!」


ネズ「み、見た事もないメルヘンがこっち

来たでやんすよ!」


プル「プルリィユーー!!」


ボン「え?マジ?!だいぶ危なくなりそうだから後ろに隠れてろって?」


ネズ「ボンの旦那もしかして言葉分かるでやんすか?!」


そうして、プルはマキナの言った通りに

周りの人が危険から身を守れるシールド

を張った


奥拉纏いし長「アガガ ヒーーッヒーーッ」


黒いオーラを纏ったテクノの父はヨダレを

垂れ流しながら理性を失っている


マキナ「今のオーラ、コイツが元から

持ってやがったものなのか?」


マキナ(あのオーラ間違えなく他者に

与えられた力じゃねぇ…内から湧いた

ものだそれにしてはその気配を感じれ

なかったのは何故だ?)


そう考えていると足音が聞こえてきた


コツッコツッコツッコツ


メリナ「マキナ〜、静かになったし、もうアンタ解決したんでしょ〜」


ガラガ…


マキナ「バカ!!今はまだ入って来るな!!!」


マキナが気付くとオーラを纏ったテクノの父が消えている…


マキナ「これは…マズイ!メリナァ!!」


標的をメリナに変えたテクノの父は、鋭利に成長した爪でメリナに斬りかかった


メリナ「キャァ!!」


ガキャンッ


マキナ「これは!プル!」


間一髪の所でプルがシールドを張った


プル「プルリュリューウ ウ ウ ウ !!!」


マキナ「どんな力だ!?あのプルのシールドが押されてる!」


このままだと数秒も持たないと判断した

マキナはある考えを実行した


なんと理性を失ったテクノの父を天井突き抜けるまで蹴り上げたのだ!


どりゃぁぁーーー!!


ガシャンコン


才木テクノ「父さーーん!!」


テクノの父は天井を突き破って

道路に向かって飛んでいった


そしてマキナはテクノの父を挑発して

惹き付けると何処かに連れて行ってしまった


一体テクノの父に何があったのか、そして

マキナの行動の意味とは……

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