第3話 初めの願いはハチャメチャワープ!

メリナが新居に引っ越して3日が過ぎた頃…


メリナ「ふあぁ〜ぅ、おはよー…」


マキナ「んーーはっ!はよーっ!」


虚しいカップ麺を啜った頃からマキナは当然のようにメリナの家に居座っていた


メリナ「あぁ、ちょっと朝の歯磨いてくる」


そしてまたメリナも、当然のようにマキナを

受け入れていた


シャカシャカシャカシャカ…


メリナ(アイツも最初こそ怪人と間違えちゃったけど、常識外れで生物らしからぬ力持ってる事以外は普通に良い奴なんだよね〜…)


ピッ…


TVの音「次のニュースです…昨晩、事務所を出て以降、行方不明となっていたお騒がせ人気アイドル才気テクノさん(17)が甘ウマ杉町一丁目の有名人気スイーツ店ダンボの監視カメラにて怪しい男二人組に連れされらるところが目撃されており、警察は犯人の特定と居場所の解明を進めています…………………では次のニュースです…」


シャカシャカシャカシャカ…

ジャーーーキュッ…

ゴラガラガラゴラ…ペッ…


メリナ(アイツいつの間にかテレビの付け方

覚えたのね 前より人間らしさ出てきたかも)


メリナ「なーに、そんな夢中になって観てるの?」


マキナ「いや、ホールハート集めんのにこれ使えねぇかな〜って思ってな…」


メリナ「ふ〜ん、確かそのホールハート?

とかいうやつは窮地に陥ってる人でしかも、その人がアンタに命をベットした状態でしかもアンタがその窮地を打開出来た時のみにしか現れないモノなんでしょ……テレビに窮地の人なんかはいくらでも出てるでしょうけど大体はどこで、その窮地にあっているかすら分かってないってのが普通よ………あと出たとしてもテレビに出る頃にはもう警察が解決してるか…事件はもう終わった後だわ……」


マキナ「ちぇ〜、つまんねぇな〜」


TVの音「速報、ただいま速報が入りましたえー、先程お伝えしました才気テクノさんを誘拐した男二人組の格好を調べたところ…、裏社会組織として有名なゼノベクターの組員の可能性が濃厚である事が分かりました」


メリナ「え!あのゼノベクター!?」


マキナ「何だそいつ?凄ぇ奴なのか?」


メリナ「組織ゼノベクターと言えば現代社会の政治政策にすら手が伸びてると噂の、この国では知らない人はいない程の裏組織よ!」


マキナ「凄ぇそれ!皆知ってる存在かぁぁーカッケェなぁ!」


メリナ「アンタは、裏社会の意味を知らないからそんな事が言えるのよ!」


マキナはウキウキした顔で言った


マキナ「じゃあこれ俺が解決してやるよ!」


メリナはそんなの無茶だと正そうと思ったがマキナの力を知っている分ここで止めない事で救われる命があるかも知れないと考え逆にマキナを後押しする事にした


メリナ「そうね……まぁアンタなら出来そうな気がするわ!」


しかしメリナには気がかりな事が一つあった


メリナ「でもアンタ解決するって言ってもねもう何十年も見付かってない組織のアジトよどうやって突き止めるつもり?」


マキナにはとっておきの秘策があった


マキナ「ほら、さっきゼロベンダーとか言ってたろ」


メリナ「ゼノベクターね…」


マキナ「そう、ソイツだ!おいプル出て来い頼む事がある!」


すると、のそのそとマキナの髪の中からプルが現れた


メリナ「プルちゃんに何か頼むの?」


マキナ「おうそんな感じだ!プルには今からゼノベクターって言葉でサーチかけてもらういいか、ゼ ノ ベ ク タ ー だぜ!」


プル「ぷりゅーーー!!」


マキナ「よし、覚えたみてぇだな!」


メリナはマキナ達が何をしているかさっぱりだった為仲間入れて欲しさにマキナに聞いた


メリナ「プルちゃんに言葉覚えさせてどうする気なの?」


マキナ「人の無意識にサーチかけんだよ」


メリナ(はて?人の無意識にサーチ?)


マキナ「誰だって無意識の中に、一つや二つデケェ意識よせる物が存在するだろ…」


メリナ「って、まさか…プルちゃんが覚えた言葉に無意識に強く反応する人を、街中から捜し出すって事?!」


マキナ「正解、ソーユーコトだ!」


メリナはすぐさま嫌な妄想をした、


メリナ「アンタ!!プルちゃんに変な言葉は覚えさせないでよね!あと、私にはサーチを使わない事、いいね!」


マキナ「な、何だよ急に……」


そうしてマキナはサーチを始める為に庭に出た


マキナ「プル頼む!」


プル「ぷるりゅ〜」


マキナがに何か頼まれたプルは、空高く遠くに飛んで行った


マキナ「ん〜ここ辺りが、いや…でもな〜…うーん……」


マキナを1人で行かせたもののメリナはすぐにマキナの事が気になった為、様子を見にそとに出た。


ガチャ


メリナ「ん?アンタなにそこに仁王立ちしてブツブツ言ってるの?」


マキナ「今プルの目を通して人が多そうな所で良い感じのポイント探してるんだよ…」


メリナ「へ〜…ん、それならアルヨー中華街に行ってみたらどう?最近あそこ治安悪いって噂聞くし!」


マキナ「何だそれ、どんなやつだ?」


メリナ「赤い門の真ん中に、大きな顔のお面が付いてるとこよ…確か北の方!ここから見て右の方!分かった?」


マキナ「ん〜あ!あったぞ!赤い門に顔付いてるやつ!」


メリナ「でも、あそこかなり遠いわよ…私の車は無惨にも街に来てた怪人に壊されちゃったし交通手段徒歩しかないわよ?………あ!アンタそういえばワープとかいうの出来たじゃない!それ使えば一瞬よ!」


マキナ「ん〜あのな、アレは俺が居る場所にバッチ持ったヤツをワープさせることは出来るが逆に俺がバッチの方にワープしたり特定の場所にワープするのは無理なんだぜ」


メリナはガッカリした表情をした…


メリナ「じゃあ歩いて行く気?」


マキナ「でもなぁ、まあ…ワープで行く手段がないこともねぇ…」


メリナ「えぇ!あるの!?なんだ〜あるなら勿体ぶらなくてもいいじゃん」


マキナ「たがな〜、それ使う為に結局超貴重なホールハート使ってたんじゃあな〜」


メリナ「え、ワープ出来るって…もしかして、そのホールハートで叶う願いでワープするって事なの?」


そうメリナは期待はずれな雰囲気で言った


マキナ「半分正解で半分当たりだ!せっかくの貴重なホールハートを使ってワープすんのは癪だけどよ、次もあれば結構便利そうだし今回は使っちまうか!」


するとマキナは体からホールハートを取り出し天に浮かべるとこう唱えた…


マキナ「ホールハート・ドリームチェック…ワープ出来る乗り物を我に齎せ!」


その瞬間天に浮いていたホールハートが回転を始めた


ハートバンク「ホールハートを1消費・・・チェックしました・・ドリームLvONE・・・願い・・ワープ可能な乗り物・・・・・・・チェックしました・・実行に移ります…」


メリナ「だ、だれ?!この声」


マキナ「遂に、これが俺初めての願いだ!」


チンッ ボワッ モクモク


メリナ「うわ!ゴホッゴホッなにこの煙…」


その煙はじわじわと薄れ、乗り物の姿が顕になってきた


メリナ「これが…」


マキナ「ワープマシン!」


じゃーん、プップーッ


メリナ「ん、車?」


そこには宇宙船っぽい柄をした車が1台


マキナ「わあぁ!ワープマシンだぁ!!」


マキナはワクワクしてすぐに車に乗り込んだ

心配なメリナはすぐに追い掛けその車の助手席に座った


マキナ「なかもすっげぇ!けど……どうやって使うんだ?」


ガクッ


メリナは漫才師顔負けのズッコケを披露した


メリナ「アンタねぇ…使い方が分かんないのに頼んだの?ん、この車ナビ付いてるじゃん……私が前に乗ってた車かなり古いヤツだったから付いてなかったのよね〜」


マキナ「ナビ?この四角いテレビか?」


マキナはナビに付いていた黒と黄色が混ざった妙なボタンを押した


ポチッ


メリナ「あぁ…あのね、それ多分内蔵されてるタイプなナビだからエンジンかけ…」


ナビ「本機ワープ機能を利用する為には先ず画面真ん中のスキャンをタッチして下さい」


メリナ「動くんだ!しかもワープ機能って…本当なのねこの車がワープ装置っていうの」


マキナ「これ、押せってことか?」


マキナは、ナビの言う通りに画面に写った、スキャンの文字をタップした


ナビ「この惑星の地形をスキャンします・・完了しました…」


メリナ「はっや」


ナビ「表示した地形で、向かいたい場所を、タップして下さい…」


メリナ「ってこれワールドマップじゃない」


マキナ「確か赤い所だよな…」


メリナ「あ!?アンタそこは…!」


ポチッ


マキナ達がワープした所、そこは・・・

火山密集地帯にある火山の一つ、ゲキアッツ火山しかも火口!


皆様の想像通りマキナ達は落下の真っ最中!


メリナ「キャーー死んじゃうーー!!」


マキナ「さあ、俺に命を賭けてみろ!さあ!賭けると言え!」


メリナ「アンタが○になさい!」


メリナは死になくないの一心でナビモニターで他の場所をタップした


シュンッ


メリナ「はぁはぁはぁはぁ………どこ?ここ てかさっむッ! 」


そう!そのメリナ達はまさにテカサッム大陸のど真ん中に来ていた!


マキナ「アガガガガガナナナンダダダトトトトト……」


メリナ「アンタタタタタタタのセセセセセヨヨヨヨ…」


メリナはバリバリにガチガチに震えながら、自国のプカプッカ国を探すとスワイプして、自分の家辺りを見付けてタップした


シュンッ


ミーン ミン ミン ミーーン


ジュワーー


凍ったマキナ達二人組の体と心はプカプッカ国の優しい熱気によって溶かされた……

まぁ優しい熱気と言っても、

あの環境に比べればっあの環境と比べればっですから!


メリナ「アンタのせいで、はぁはぁはぁ……エライ目に……はぁ…あったわよ!」


するとマキナの髪からプルが転げ落ちた


プル「プブプリプブルル〜✩.*˚」


マキナ「プル、そういえばお前寒いの苦手だったな、わりぃ…次は、間違わねぇから!」


プル「プリュリィーーーー!!!!」


プルは残った力を振り絞りナビリベンジを決めようとするマキナの腕をタックルで弾いた


メリナ「ス、ストーープッ!!私がやるっ!!から、もう触らないで……」


メリナはナビリベンジをしようとしたマキナに必死こいて説得した


マキナ「ちぇ〜、」


メリナ「アンタが操作してたら、事件解決する前に死んじゃうわよ!」


事件解決に乗り出したものの、活動開始直後マキナのハチャメチャな行動に振り回されるメリナとプル…

本当にこの調子で、ホールハートは手に入るのだろうか・・・やれやれ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る