第2話
この夏も終わっていく。
日差しに強さがなくなり、草が風の流れを見せる。灰色の底辺で切られた雲が並んでいる。台風が近くを通っていくらしい。
この道は毎年同じように変わっていく。私は変わらない。少しも変われないで歳をとっていく。
少し暇になり、ぼんやりと店内を見る。いつも見かける人達も、気づくと見なくなって死んでるんだろう。そんな事思う私はいつまでここにいるんだ。
そのうちどの店もパネルで注文して、配膳ロボが運ぶ。私がいる意味はなんだ?いつもは封じ込めている自問だ。
お客様がさり、ロボットにはできない仕事にかかる。
テーブルを拭いていると、店内でかかる曲にも軽い怒りがわいてくる。愛と恋、私とあなたの恋愛ばかり。「愛してる」って軽く言うけど「私を愛して」って意味だし、すぐに思ってたのと違うってトキメキは終わるんだよ。
内心とは別に、身体は黙々と作業する
テーブルが片付くと、さっぱりした。さぁ、休憩まであと30分だ。
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