羞恥をこえろ

やってみる

第1話

足りないからもとめる?努力する。

だから、不幸なままがいい。

幸せになってはいけない。

いや、求めてるものが満たされても、足りない。もっともっと。

私は幸せになれない。

一瞬、幸せに触れたような気がしたけど、そんな温もりだけが残っていた。



アルバイト先までの道。近くを通る川は濁った緑で土手にゴミが捨てられている。以前住んでいた所とは随分違う。でも舗装されてない所は好きだ。

この道を行くと遠回りになるが、気分が晴れる。今は夏草が伸びて子どもの頃に戻ったみたいだ。


働いているのは、よくあるファミレス。しっかりと未来を考えていなかった私には、雇ってもらえるだけありがたい。


人の顔をよく覚えない私だが、常連客はいる。ずっとスマホを見ているおばあちゃん。ナンプレをしているおじいさん。

私にはなかった青春の学生達。宿題したり、スマホを見せあったり。カップルだったり。


そして月に一度くらい、一日中いる人。モッサリしていて、何やらノートに鉛筆で書いたりボーっとしたり。小説家だと噂はあるが、せいぜい「なろう」だろう。

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