第4話 今後のため
俺はあの後、10分ぐらい無防備に立っていた。神様に与えられたこの場所の事実、俺は神様が何か意図があるしかないと思っていた。
神様は俺に異世界転移じゃなく電脳空間にきたと言った。なぜ神様が俺を電脳世界に連れて行ったのか。
電脳世界は、人が生きる世界ではない。ただ電子の海の中にあるデータだ。
俺が神様が言った通り、この世界はファンタジーとは違う世界なのかもしれない。
もしそうだとしたら……。
「この世界でも小説のようにスローライフを送ることが一番の安全策というべきか……か?」
俺は考えた。
ラノベの世界で生きている主人公たちは皆、スローライフか国のやり直しなど様々なものを目指している。だが、現実的に考えるとそれは無理だな。
俺は、この電脳世界での生活を生きるためにどうすればいいか考えないといけないのだ。
まずは、この世界で何をすればいい?
「俺の状態を調べるか」
まずは転生による体の変化だ。手足が大きく、太いことがわかる。服の中も見慣れないほど筋肉が発達していた。
着ている服も黒の半そでコートに黒のズボンだ。腕や、足に輝く金属のような靴とアームの防具が付けている。まさに、アクションRPGそのもの。
年齢も種族も変わってるぐらいだから、服が変わっててもおかしくない。
また、一面にはアニメから出てきたのか?と思わせてくるような廃墟の町だった。あちらこちらで焼けて黒くなった木々やがれきのレンガ塀、そして石造りの家屋や道、建物などが所々に立ち並んでいる。
俺は今、町の中央付近にいる。
「さて、どうしようか……」
俺は考えた。
まずは、この世界のことを知るべきだ。俺は、この世界のすべてを知るため一歩足を動かしだした。
というか、俺以外にも人がいるのか?そう考えてるとなんだか怖くなってきたよ。おーい、誰でもいいから出てきてくれよー。
……と言ってもこれが獣に襲われるフラグになりませんように。
「さてと……」
俺は、前にだけ目を集中させながら一歩一歩と足を動かしていく。
「誰かいるかい?いないよねー、あははは」
「おいっ、何一人でぶつぶつ言ってんだ?」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
俺は急に声をかけられて、思わず悲鳴をあげた。
「あぶねーな、いきなり叫ぶんじゃねえよ!」
俺は後ろを振り返る。そこには、俺と同じぐらいの若い男性が立っていた。
その人は俺より身長が高く、体型は細いが鍛えられていそうな体をしていた。その人の髪は黒く、目や肌の色などは日本人と同じであった。
しかし、服装はまるでファンタジーの世界にいるかのような中世ヨーロッパ風といった感じ。
びっくりしたよ、これでもし中年の喧騒が悪いおっさんだったらオワタと思っていたから。
「おい、お前って帝国の剣士か?」
俺の戸惑いが長くなりそうだ。
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