第3話 バッドエンドの始まり(後編)

「次の質問ね。ここから難易度バイブス上げてくけど大丈夫?」


なんだよ、難易度バイブスって。ここ渋谷のDJクラブやアイドルとかのコンサートじゃないのに。

でも、今の頭の中の感が「オッケーパーリーピーポー!!」って言っているような気が……。ごめん、今の忘れて。ノリがもうグダグダだよ。

そんな感じの俺に神様は、開いた口が塞がらない状態で見つめてくる。君に今からささげる言葉を言います。こんな感じになったのお前のせいだからね……なのか?

よし、こんな状態が長く続くと感じたから次の質問に行ってみよー!!


「次の質問ね。俺の種族がクッソあるんだけど、それはなぜ?」


これは俺の最大ともいわれる謎。なんだよ!『悪魔とドラゴンと人間+α』って!

俺は悪魔なの?ドラゴンなの?人間なの?どっちなんだよ!?それと+αって何?

神様は大きな白い振袖を口の近くに寄せて微笑んだ。神様はなぜかにやけている。

おん?なんか嫌な予感しか……


「ああ、それですか?最近のラノベって単体ものしか種族ないから詰まらなくてですね、バイキングのように盛ってみたら逆に最強かなーって」

「あなた全く反省してないよね?」


なんだ?この神様は小悪魔の性格しかないのか?ラノベって種族が単体だからこそ面白味があるんだよ。これだったらラノベ化した時、読者疲れるぞ?


「それで?俺の種族ってなんなの?」


神様はにやりと微笑む。


「一応種族は、人間の悪魔的存在という感じです。」

「それって悪魔だよね……」


まあ、悪魔なら悪魔らしく行動してみるのか……?


「まぁ、多くつけたのでドラゴンの飛行や知能とか野生、人間の高度な思考力や行動力など出来ますのでむしろいいほうだとおもいますよ」

「……それはそうだけどねぇ」


実際、ドラゴンで戦闘になったら負けることはないだろう。


「じゃあ、この+αとは?」


神様はにやりとして答えた。


「+αとは、この世界で生きていく上での補足の能力です。多く種族があったとしても+αを設定しなかったら死んでしまう可能性がありますのでご注意を。+αの項目はまぁ知らないほうが適切かと」

「まあ、わからない方がいいか」


俺らが見てきたのはいいように成功体験を導いているだけで、実際は死ぬことだってあり得るからね。神様の言うとおりに知らない方が幸せだ。ただ、もう一つだけ質問を。


「+αには、ステータスを表示することは出来ないのか?」


神様は目を閉じたまま首を振った。


「+αは、ステータスとは違って万能ではありませんから、ステータス表示はできません。」


なるほど。でもどう万能なのかがちょっと気になっているけど、神様からの口調から推測して後々わかることなのかな。冒険していくうえでわかるだろうし。


「じゃあ、次。称号として「時を駆けるもの」が書かれているがこれってどんな意味がある?」

「それは、あなたがこれから生き抜くにあたって必要になる能力です。」

「詳しく教えてもらっても?」


神様は再度、首を振った。だが、前と違ってちょっとだけ口角が上がっているように見えた。


「いえ、それは事情があって詳しく教えることができません。でも、ただ言えることは一つだけ。この世界はファンタジーのような世界ではないということですね」

「……は?」


俺は神様の言うことに理解できなかった。


「あなたにはこれからこの世界の真実を知りながら生きていく義務があります。それがあなたに与えられた『称号』《使命》です。」

「いや、意味が分からないんだけど」

「ふふ、周りを見ればわかることだと」


神様はにやりと笑う。俺は神様の言うことに奇妙だと思い、周りを見る。


「!?」


俺は目を見開いた。


「どういうことなのさ!!」


俺の目の前には、俺の知っている街並みではなく、廃墟や瓦礫の山が山と積まれている光景が広がっていたからだ。時々、ノイズのようなものが入ったものが流れ、乱れている。


「これは、あなたがこの世界の状況です。あなたが来る6000年前からこの世界には起きているんですよ。」


神様は静かに告げた。俺はこの虚しさと絶望に何も答えられなかった。

神様は淡々と話しを続ける。


「もうわかったかと思われますが、異世界といってもパターンは無数。異世界=おとぎ話のような世界線、だけではないのですよ?」


俺は呆然と答えた。今の俺はこの世界について知ったことで、恐怖が纏わりついた。ガタガタと震える口を必死に動かしながら知りたくもない質問を神様に問いてみる。


「つまり、俺は……」

「ええ。あなたは異世界ではなく電脳空間へきたのです」


神様は俺に告げた。神様は俺を悟ってくれたのか優しく微笑んでいる。


「そろそろ時間が来たようですね。ではさようなら」


そして、神様は泡のように消えていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る