5話 人生2度目の高校1年生!?
女性物、男性物共に下着の単語が出てきます。
苦手な方はご注意ください。
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4月22日(月)
ついに転入当日。前日の夜にお母さんから、
『明日の朝は忙しくなるだろうから、早めに起きなさいね。そうねー…じゃあ6時に起きて来なさい。』
と言われていたので、事前に掛けておいた5時55分の
アラームで目が覚める。
重たい
既に自分の分の朝食が出来ていた為、なる早で制服に
着替えたいので、自分の制服を取りに、リビングの
丁度角にある壁に向かう…だけど
壁に掛けられたハンガーには女子ものの制服が下がっていた。
お母さんに「僕の制服は?」と聞いても、そこに掛かってるでしょ?の一点張りで会話にならない。
そんなやり取りを繰り返しているうちに、痺れを切らしたのか、お母さんが僕の服を無理やり脱がして制服を着せようとしてくる。
僕は必死に体をよじって抵抗をするのだが、完全に腰を押さえつけられて、そのままスカートを履かさようとしてくる。だが急にお母さんの手が離れた。
「そういえば貴方…パンツはトランクスよね?
それじゃあスカートには合わないわねえ…」
おお!ってことはズボンを履けるのか!!やっぱり僕にスカートはまだ早いよね!
「やっぱりスカートにはショーツよね〜?ねえ瑠奈?」
「そうだよね〜流石母さん、分かってるね!」
おぉ…瑠奈起きてたのか
「瑠奈〜言いたいことは何か分かるよね?」
「もちろん母さん!ブツはここにあるよ!」
と言って瑠奈は隣に置いてある箱を軽く叩く。
なんだろう…危ないお薬の取り引きでも始まるんだろうか…
そうこうしてるうちに、お母さんがその箱を開け始めた。
中から何個か布が出てくる。無地の物だったり、
縞模様のある物だったりも出てくる。
「お母さん、瑠奈、これは?」
「お兄ちゃん、これはね〜」
そう言いながら瑠奈は箱の中にあった無地の布を
広げて僕に見せてきた。
…パンツ…だよね?
「ショーツなんだけどね?昨日買い物中にお兄ちゃんとちょっと離れた時間あったじゃん?その時に買ってきたんだ〜
もちろんサイズはお兄ちゃんが寝てる時に測った
から、ピッタリなはずだよ?」
「ツッコミ所しかないけど!まず何勝手に部屋入ってるの!?」
当然…?聞いても瑠奈から返答はこない。
それどころか、瑠奈もお母さんと一緒になって
パンツ、スカート、シャツ、アウターの順に無理やり着せてくる。抵抗も虚しく気づけば、女性物の制服に身を包んでいる僕?の姿があった。
◆
今は家を出て瑠奈と学校に向かっている途中である。
あの後、瑠奈に
『スカートは折って短くする物だよ』
と念を押されてしまい、本当に短くするのが正しいのか分からないまま、半ば無理やり折らせられた。
(まあ瑠奈の方がこういうのは詳しいし、信じるべきだよね。)
と自己暗示をして、気を紛らわす。
バスを乗り降りしてから、しばらく歩いているうちに横浜駅へと着いた。
駅の改札を通り、電車へと乗り込む。
通勤、通学時間のため、もちろん電車は満員でつり革
を掴むのすら難しい程に混んでいた。というかつり革に手が届かない…
電車に揺られているうちに気づけば新宿駅へと着いてていた。
駅から学校へはそう遠くない位置にあるためか、学校へと向かっているうちに、同窓生もちらほら見えてくるようになってきた。
そこから5分とかからないうちに学校へと着いた。
ホームルームまで後10分ほどあるので、
少し歩くペースを落として、下駄箱へと向かう。
聞いた話だと瑠奈、茜さんと同じクラスみたいだから
ぼっちは回避できそうでひとまず安心する。
…ところで下駄箱はどこのを使えばいいのだろうか、
「どうかしましたか?」
首を傾げて考えていると、横の方から優しい声が聞こえてきた。
声がした方を振り向くと、還暦ほどの年齢の優しそうなおじいちゃん先生が立っていた。
流石ベテランの教員と言うべきか、優しそうな雰囲気は醸し出しながらも、それと同時に誠実そうな雰囲気も溢れている。
「おや?あなたは…確か転入生の方でしたよね?
下駄箱なら1番下のここを使ってください。屈まないと使えない場所で申し訳ありませんが…」
そう言って頭を下げてくる先生。
いや、先生は何も悪くないのに!
「えっと…頭を上げてください…こちらこそ丁度忙しい時期に転入なんてしてしまい、申し訳ありません…」
お互いに3秒ほど頭を下げ合った後、双方が頭をあげる。
「では私はこれで。何かまたお困りの事がありましたら、気軽にどうぞ。」
そう言うと先生はそそくさとその場を立ち去る。
瑠奈から聞いた話だと教頭先生らしい。
基本的に1年生側の校舎でしか見かけないらしく、
2、3年には名前は知られているが会ったことは無い人が大半らしい。ちなみに僕もその1人だ。…名前は知らないけど。
隣で靴を履き替えてた瑠奈がやけに焦っている。
もしやと思い時計を見ると、ホームルームまで3分
しか残されていない…流石に初日から遅刻はやばい。
◆
ホームルームが始まる前になんとか…間に合わせることが出来た。
教室の外で担任?の先生に呼び止められて、自己紹介のリハーサル的なのをやらされているうちに、気づけばホームルーム開始の時間となっていた。
「えー、今日から皆さんと学ぶ仲間が増えます。
分からない事も多いと思うので、皆さん困っていたら助けて上げてくださいね。」
先生がこちらを向いて、軽く会釈してくる。多分入ってきてねってことだと思う…緊張で足が震えてるんだけどね…
僕が気合いを入れて教室へ入るや否や、盛り上がっていた教室が静かになる。おそらく僕の言葉を待っているんだろう。
「えっと…佐藤未来って言います。
元々、別の学校に通っていたんですが、親が引っ越す事になって…で、えっと、この学校に転入してきました。よろしくお願いします…!」
「ありがとうございます佐藤さん。皆さんも、佐藤さんが何か困っていたら助けてあげてくださいね?
そうね…じゃあ、佐藤さんはさと…佐藤瑠奈さんの
隣の空き席に座ってください。」
「…そういえば、佐藤さんは瑠奈さんと姉妹なんでしたよね?呼び方考えないとですね…」
そう先生が僕の耳元に小さい声で話しかけてくる。
ありがとうございます。と先生に一礼してから、
瑠奈の隣の席へと向かう。場所としては窓側の1番後ろの端っこ、所謂『主人公席』というやつだ。
肩に掛けていたスクールバッグ…?なるものを席の横に掛ける。これも瑠奈に渡された物なので詳しくは分からないが…こんなに色々買ってお金の方は大丈夫なのかな?
「おに…未来ちゃん、自己紹介ちゃんと出来たじゃん?流石私の妹だね〜♪」
「妹じゃない!」と小声で反論しても勿論返事は返ってこない。最近瑠奈の接し方が変わってきた気がするが…
その後は何事もなくホームルームが終わり…授業前の休憩時間なのだけど…クラスのほぼ全ての人達が全員
僕の席の近くに集まってくる。
もしや初日からいじめ…!?とも思ったけど、どうやら違うようで…
「未来ちゃん…だよね?凄い可愛いね!?
どこの町から来たの?」
「私も知りたーい」
「え、えっと…静岡の方から来ました…」
「「「「おー!」」」」
「えっと、未来ちゃん…良ければ私とお友達になってくれない?」
「あ!お前抜け駆けずりーぞ!」
「私もなりたい!」
うーん…人にこんなに囲まれるのは初めてだけど…
楽しいかも…
その後も質問責めは続いて、気づけば授業1分前となっていた。
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更新遅れてしまい本当にごめんなさい…!
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